こどもを巻き込んだ悲惨な事件が続く昨今、そんな外界にわが子を送り出さなければならない現実に不安を感じているご家庭もあるのでは。今週は、20年前からカナダのこどもたちの間で使われている防犯テキストをもとにした絵本です。
もし、迷子になったら。知らない人に声をかけられたら。身体を触られたら。6つのエピソードからなる構成で、こども自身による対処のしかたや親の取るべき行動が、幼稚園児でも理解のできるよう配慮された語り口で描かれていきます。明るく淡い水彩の画調に溶け込んでいるからこそかえってリアリティーのある、「わるい人」が親切そうに、にこにこと近づいてくるさま。いたずらに恐怖心を煽(あお)るのではなく、わたしたち親がついているのだという安心感の必要。日ごろから会話を持ち、なんでも相談できる雰囲気をつくっておくこと…など、家族で囲むことで生きてくる本でもあります。
こんな本が必要になる世の中なんてと嘆いていても始まりません。眼(め)をそらせたり棚上げしたりせず、まずは、備えましょう。
【今週の絵本】『とにかくさけんでにげるんだ−わるい人から身をまもる本』B・ボガホールド/作、安藤由紀/訳、河原まり子/絵、岩崎書店/刊、1365円(税込み)5歳〜(1985年)
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