■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉155 八木淳一郎 シュワスマン・ワハマン彗星
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今年の春の星界の呼び物はシュワスマン・ワハマンの彗星(すいせい)の登場でしょう。今から約10年前、この彗星はいくつかに分裂してしまいました。およそ5年の周期で太陽を巡るこの彗星が、今年は地球から1千キロの近くを通ることになり、ひょっとして肉眼でも見られるかもしれない可能性が出てきました。
いくつもの彗星の核が並んで見られるのですが、そのうちの1個が明るくなって、悪くとも4〜5等星、もしかしたら2〜3等星まで明るくなるのでは、と期待が半分込められた予想がなされています。
一番明るくなる時期は5月の半ばころ。ゴールデンウイークのあたりからぼちぼち肉眼彗星となり尾も出てきそうですが、彗星はボーッと雲の切れ端のような広がりをもっていて普通の星のような鋭い光の点とは違います。ですから街明かりのない空の暗い場所を選んだほうが見られる可能性が高まります。
そして、できれば双眼鏡を用いるのが一番です。蛇足ですが、双眼鏡は左右のレンズが正しく調整されていなくてはなりません。そういう意味では名の通ったメーカーのものが安心です。カメラメーカーで知られている会社の製品、例えば、ニコン、フジノン、キャノン、ペンタックス、ミノルタ、オリンパスなどは間違いありません。
レンズの直径(口径)は3〜5センチ、倍率は6〜10倍のものが適切です。双眼鏡には必ず7×35などと刻印されていますが、これは7倍の倍率で口径が35ミリという意味で、購入に際してのチェックポイントです。
倍率が高すぎると手ぶれのために視野の中で星などの対象物が揺れ動いて見づらくなったり視野全体も暗くなってしまいますし、あまり口径の大きなものは重いために長い時間持つのが苦痛になるといったことに注意する必要があります。また、新聞の広告などに昼夜兼用とか数十倍〜百倍ズームなどと書いてある製品は怪しいとみていいでしょう。
さて、シュワスマン・ワハマン彗星ですが、5月初めころはヘルクレス座にありますが、ヘルクレス座は午後7時過ぎころに東の空に上がってきます。
その後彗星は次第に明るくなりながら、こと座、はくちょう座、こぎつね座を通ってペガサス座の方に移動します。目印となること座のベガ(おりひめ星)が東の空に上ってくるのは、5月中旬は午後8時前後です。最も明るくなるころの彗星はこぎつね座にあって、午後9時半を回ったころに登場します。(盛岡天文同好会会員)
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