■ 故郷トルファンの風景 岩手大学留学生のアブドイレムさんが個展
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トルファンの女性たちが共同でナンを作る風景を描いた「ナン焼く」 |
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岩手大学大学院2年のナイム・アブドレイムさん(37)=新疆ウイグル自治区トルファン市出身=が7日まで、盛岡市中ノ橋通1丁目のプラザおでって3階・ギャラリーおでってで「シルクロード油絵作品展2006」を開いている。故郷のトルファンの風景と留学して3年目になる岩手の風景を描いた作品が並び、絵画で両国を結んでいるようだ。
展示作品は、油彩、水彩合わせて約80点。天山山脈などシルクロードの雄大な風景画に加え、故郷の農村の暮らしに思いを寄せた作品も多い。
「ナン焼く」は、ウイグル人の主食という「ナン」を焼いている女性たちを描いた。熱した窯の内側に、小麦粉を練って成形したものを張り付けて焼く。都会では店で買う人も多いが、農村では今でも家族の人数に合わせて焼き、1週間分を作り置きする場合が多いという。
「ウイグルでは家の中のことは女性の仕事なので、わたしも母の作ってくれたナンを25歳ごろまで食べた」と、家庭の味を懐かしむナイムさん。「1週間分のナンを焼くときはほかの家族も手伝ってくれ、自分のところが終わるとその家族を手伝う。助け合うことが当たり前だった」と話す。
3歳で父を亡くし、母のティラハンさん(80)に育てられた。「母のTillahan」は、生活が苦しい中、大学まで入れてくれた母への感謝を込めた作品。新疆美術学院から車で2時間以上かけて帰省し、疲れて眠るナイムさん。その隣には息子の健康を祈るティラハンさんの姿がある。
「部屋が暗いのは、貧しくて日本のように明るい電球を付けられないから。着ている服もいい物(高価な物)ではない。そんな大変な状況の中でも、母はわたしに美術を学ばせてくれた」と、しみじみ。「向こうは病院まで遠いから」と、離れて暮らす母の健康を気遣う。
2004年4月に研究員として岩手大へ。05年4月から同大学院で美術を学んでいる。今年2月に制作した「厳冬の岩手山と北上川」は、ひざまでの雪に凍えながらも雪化粧の山容の美しさに感激して筆を執った。
「盛岡で一番好きな風景は岩手山。とても美しい」と、季節ごとにキャンバスに描いてきたナイムさん。この春初めて、盛岡芸術祭美術展に岩手山の作品を出品した。
大学院での研究も残り1年。「いずれは博士を取りたいという思いもあるが、岩手の風景もたくさん描きたい。三陸の海だけの風景というものも描いてみたい」と話していた。
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