木造住宅の建築技術を若い世代に引き継いでいくことを目的に、大工の棟梁(とうりょう)や左官、建具、板金など19人の匠(たくみ)が集い「紫波・一歩の会」(盛田長一会長)がこのほど設立された。時間のかかる木造住宅を建築することが少なくなり、それに伴って伝統的な技術を身に着けている技術者も激減している。「このままでは木造住宅の技術がなくなってしまう。技術を持つ人たちがいるうちに伝承したい」との危機感を持った。
紫波町内では資源循環の考え方が町内に比較的浸透している。製材業者が森と家づくりの会を設立し、町立上平沢小学校、町立虹の保育園などの公共施設は町産木材を使った木造建築で建てられている。
木造施設が話題となり、家づくりの会に木造の家を建てたいが業者を紹介してほしいといった問い合わせも各地から寄せられる。その要望に「一歩の会」が応える。
会として木造住宅のよさを自らPRして需要を掘り起こす。木造建築に携わる機会を確保し、同時に技術の伝承を図る。
業者は町内外から参加する。製材業、建設のほか板金、左官、建具などで伝承技術を身に着けている厳選された匠たちがメンバーになった。
副会長の高橋米勝さんは「一歩の会では本当の木材の良さを追求したい。お客さんからどんな注文がきてもかなえてあげる組織。これは運営していく上での絶対条件。紫波町が循環型の町づくりをやっているうちにわれわれが一人立ちしてやっていかなければならない」と話す。
初年度はホームページを立ち上げ木造住宅の注文を受ける体制を整える。建築主との綿密な打ち合わせや建設に使う用材の乾燥や加工などの準備を進める予定。実際に建設にかかるのは来年の5月ころからになるという。
先月、紫波町内の飲食店で行われた設立総会には藤原孝紫波町長が出席した。「紫波町では3年前に森林資源循環を取り入れ公共施設から木材を使っていこうと始めた。ただ木材を使うだけでなく紫波の匠の伝承、木材の利用、皆さん方の生活を支えていく、この3つの視点で始めた。最終的には経済の循環にもつながる。木というのは節があって割れて年々風格が出てくる。そういうことを皆さんに理解してもらいながら勧めていただきたい」と激励した。
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