2006年 5月8日 (月) 

       

■  〈経済〉夢は農園レストラン よ市で野菜売る加藤眞一さん(57) 

 
     
  中国から輸入した三輪車で材木町よ市でも野菜を売る加藤眞一さん  
 
中国から輸入した三輪車で材木町よ市でも野菜を売る加藤眞一さん
 
滝沢村大釜の加藤眞一さん(57)は農業と調理師の二足の草鞋(わらじ)を履く。農業は8年目だが調理師は40年のベテラン。若いころはイタリアで修行した経験もある。しかし現在の本業はあくまで農業。盛岡市材木町のよ市には、中国から輸入した三輪車に新鮮な野菜を載せて店を出す。

 加藤さんは盛岡市出身。子供のころから洋食のコックになる夢を持っていた。振り出しは盛岡駅前の老舗レストラン金宝堂。「出前持ちからのスタート。名物のトンテキの作り方も学んだ。大変お世話になった」という。

  その後、調理師学校に入り調理師の資格を取得した。卒業後は仙台や東京の洋食専門店やホテルの洋食部門でコックとして腕を振るった。その間にイタリアに2年間渡り現地のレストランで修業したり各地を旅し見聞を広めた。

  「日本では最近食の安心、安全にこだわり食材を見直すホテルやレストランも出てきたが以前は首都圏でもあまり関心が薄かった。わたしは盛岡に育ったせいか食材へのこだわりがあった」と言う。

  イタリアに渡ったのは20代。「当時既にイタリアのレストランやホテルは農園を持ち、そこから食材を供給していた。イタリアの田舎町に行くと小さなレストランがあり、そこでも畑があり新鮮な食材を調理していた。最近、日本でもはやり出した農家レストランの手本」と言う。

  加藤さんはコックをしながらいつかは自分も畑を持ち、自分でレストランを経営する夢を抱くようになった。「これまで洋食専門で来た。ハンバーグやパスタから肉、魚のフルコースまで作ってきた。その都度、食材の大切さを痛感した。食材を提供する農業の現場を知る必要があると考えた」と加藤さん。

  50歳を前にコックの現場を離れ帰郷。大釜で約2千平方メートルの畑を借りて加藤農園を立ち上げた。無農薬を基本とし一人で畑仕事をしている。野菜が中心だがシイタケ栽培も行う。「体力は使うが楽しい」と言う。

  野菜は近隣に販売したり移動販売などでの商売。しかし農業だけでは生活できないため盛岡調理師会に加盟。不定期で調理師の仕事も。そして昨年から、よ市で店を出すようになった。

  2年目の今年は中国から輸入した三輪車に野菜を積み往復2時間かけて通う。なじみの客が増え会話も弾む。調理の仕方もさらりと教える。「アサツキは卵やトリ肉とさっといためるとおいしい」「ナバナはさっと湯を通しておひたしで」。自家製みそも大好評。

  「今年はよ市を1回も休まず頑張りたい。これからダイコン、キャベツが出回る。旬な野菜を届けたい。そのうちに私流の自然食レストランを開きたい」と話す。

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