2006年 5月10日 (水) 

       

■  萬が残した「寝そべるよ志夫人」のガラス乾板 鉄五郎記念館で33点公開 

     
  約3メートル×2メートルに引き伸ばされた「寝そべるよ志夫人−2(小石川)」(上段、左)  
 
約3メートル×2メートルに引き伸ばされた「寝そべるよ志夫人−2(小石川)」(上段、左)
 
  「再考・萬鉄五郎展」が花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館で開幕した。少年時代から写真撮影を行っていた萬。明治末から大正期にかけて萬が撮影したガラス乾板が近年、明らかになった。その写真は、絵画の構図に生かされたほか、確認や記録に使われたのか、自身の作品を撮影したものも。今展ではガラス乾板33点のほかに、油彩や水彩、スケッチなど合わせて約100点を展示。世界を見据え、常に挑戦を続けた画家の思考の跡をたどる。

  国の重要文化財「裸体美人」(東京国立近代美術館蔵、今展では複製を展示)は、1912年(明治45年)、東京美術学校の卒業制作。自身「ゴッホやマチスの感化のある」と語った作品は当時、教授陣の理解を超え、評価されなかった。

  会場に展示された、約30倍に引き伸ばされた約3×2メートルの写真「寝そべるよ志夫人−2(小石川)」(10年ごろ)は、同作品との関連が指摘されているもの。ちりめんの着物の胸をはだけて寝ている妻のよ志夫人の姿は、縦にすると同作品の構図を連想させる。

  このほか、いすに座り、机に伏しているポーズの女性を描いた鉛筆のスケッチ「後ろ向きに伏せる裸婦」(12年ごろ)など、同作品に至る数点の習作を展示。周到に練り上げ、構成されたことで知られている作品だが、想像以上にさまざまな試行錯誤の末に生み出されたことを感じさせる。

  会場にはカメラと付属品も展示。萬が晩年、絵のバランスなどを見るために使っていたと言われている。

  7月9日まで。午前8時半から午後5時(入場は同4時半)まで。月曜休館。入館料は一般500円、高校、大学生は400円、小中学生は200円。
 
 

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