2006年 5月11日 (木) 

       

■  〈校長室の窓から〉69 野口晃男 差し出された手  

 きょうは入学式の日です。新入生を迎えるために、全校が一斉に掃除をしています。
  校長室前の担当は4年生です。

  おやっ、もう終わりです。放送の合図で20分間の掃除が終わりました。
 
  さすが4年生、掃除リーダーを中心にてきぱきと反省会をしています。
  あまりにもしっかりしているので、近づいてみたくなりました。
 
  途中、足元にあった「わたごみ」を拾って近づいていきました。
  リーダーの隣に立ったとき、ちょうど反省会が終わりました。
  そのときです。
  1人の子が、わたしにそっと左手を出したのです。
 
  とてもうれしい瞬間でした。
  みんなで拾ったわたごみが、その子の手に集まりました。
  そのごみは職員室のごみかごに捨てられました。
 
  職員室で手を洗い、その子は背筋をぴんと伸ばして教室に向かいました。
  向こうから教頭先生が歩いてきました。
  すれ違いながら教頭先生がニコニコほほえんでいます。
  きっと、その子のニコニコ笑顔が教頭先生に移ったに違いありません。
 
  学校では、掃除をしてもいつの間にか「わたごみ」がたまってきます。
  そこで、気が付いた人が、拾ってすぐに捨てられるように廊下の隅にごみかごを置くことにします。
  気づいたときに、さりげなくそっと拾って、さりげなくそっと捨てる、そんな人間になりたいと思っています。
(盛岡市教育相談員)





 

 

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