2006年 5月28日 (日) 

       

■  〈盛岡百景〉66 県立博物館と岩手山、姫神山

 
     
  県立博物館の敷地内から見る岩手山  
 
県立博物館の敷地内から見る岩手山
 
  県立博物館は県制100周年を記念して1980年、盛岡市上田字松屋敷に開館した。周囲より高台にある立地は、盛岡の自然の恵みを感じられる空間でもある。

  建物の設計は、岩手山の眺望を強く意識している。2階グランドホールは大きなガラス面となっており、岩手山の雄姿をぜいたくに味わえる空間だ。表に出て敷地を散策していても、岩手山の姿を見ると、ちょっとした山に登って見ているような錯覚に陥る。樹木の成長のせいか、開館当時よりは死角になる場所が増えているのではないか。姫神山は屋外では木々の間から時折、目に入ることもあるが、意識して探さないと見つけにくい。

  博物館の敷地内には散策広場、植物園、岩石園が整備され、多種多様な植物、鉱物に触れ合うことができる。とはいえ、県内に自生する山野草や樹木が基本だ。付近の幼稚園児や住民が芝生の感触を楽しむ光景が見られる日もある。もちろん、科学の学習に訪れる小中学生らもいる。

  植物園には、人々が繊維や薬用、食用などに使い、自然の恩恵の中で人間が生きていることを感じさせる植物などが植えられている。木々はカシワやミズナラ、シラカバといったものや、花の美しい樹種も植えられている。

  芝生広場は初夏から緑も美しく、広々としている。10本ほど並んだユリノキがアクセント。そばにベンチが置かれ、木陰で休む人とも出会う。広場にはかつて仏人彫刻家アリスティード・マイヨール(1861〜1944)のブロンズ像「3人の妖精」が建っていたが、今その姿を見ることはできない。彼の晩年の代表作であるこの像には県立美術館で出合える。2001年に開館した美術館に移管されたためだ。

  県立博物館は当初、美術博物館の機能を併せ持った総合博物館として開館した。県立美術館が開館したことにより美術分野は移管。舟越保武や松本俊介、萬鉄五郎らの収蔵美術品は移された。館内は岩手の地史や歴史を知るための考古、歴史、民俗、地質、生物などの分野で資料展示している。
(井上忠晴記者)

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  21日の盛岡百景65「開運橋からの岸辺の緑と岩手山」で紹介した二度泣き橋は、91年5月から94年5月まで日銀盛岡事務所長で赴任していた古江和雄さん(58)=下関市在住=が名付け親です。

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