2006年 6月3日 (土) 

       

■  山洞三郎さんの遺作展 挑戦の足跡を明らかに

     
  「水揚げ」(油彩)  
 
「水揚げ」(油彩)
 
  盛岡市の山洞三郎さんの遺作展「挑戦と戦いの足跡」が4日まで、同市盛岡駅西通の市民文化ホールで開かれている。昨年の6月、67歳の生涯を閉じた山洞さんの、学生時代の作品から遺作まで約130点が展示されている。

  横浜で生まれ、父親の転勤で松尾鉱山に転居した山洞さん。今展では、当時描いたという鉱山で働く人たちの姿や風景画から、作品をひも解く。

  1960年代から三軌会、日本美術会への出品を開始。漁港や建築現場などで働く人々の姿をモチーフに多くの作品を制作。「水揚げ」(油彩)は夜明けの海を背景に、大きな魚を水揚げする家族の姿を、臨場感たっぷりに描き出した。

  83年からは岩手平和美術展の実行委員長を務め「世界に平和を」をテーマに作品を制作。「おりづる」(アクリル)では広島の原爆ドームと折り鶴を一つの画面に配置。遺作となった「悲鳴」(アクリル)は昨年の平和美術展で展示。イラクの女性の悲痛な訴えを表現した。

  テーマ作品を描きながら、空いた時間を利用して花や風景を水彩で制作。さまざまな角度からとらえた岩手山や南部曲がり屋、バラやアネモネなど身の回りの植物を生き生きと表現。最近まで取り組んでいたという裸婦はデッサンやパステル、水彩などが展示されている。

  病床にあっても、個展を開く計画を口にしていたという山洞さん。故人の遺志を家族が継いで実現した今展には、たくさんの人たちが訪れている。

  1938年生まれ。62年岩大教育学部特設美術科卒業。63年同科専攻科修了、高校美術教員となる。99年に教員を定年退職。2002年、自宅近隣に「サンドウ美術教室」を開く。

  午前10時から午後5時(最終日は同3時)まで。入場無料。

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