2006年 6月4日 (日) 

       

■  〈雑誌創刊号の話〉257 成ケ澤栄治 「現代えろちか」

 昭和52年の世相を反映するかのような雑誌、『現代えろちか』(A5判・280ページ)が、昭和52年11月、平和出版から創刊されました。

  編集後記は「読書の秋に読みごたえある娯楽雑誌を皆様に提供しようと、創刊号の準備にとりかかって三ケ月…」と、この年の出来事を網羅するのです。

  9月、巨人軍王貞治選手が通算756号のホームランを打ち、世界新記録を打ち立てました。

  同9月から11月にかけて、井上陽水・内藤やす子・研ナオコ・にしきのあきら・美川憲一など、大量の歌手や芸能人がマリファナ喫煙で逮捕されました。

  前の年「ペッパー警部」でデビューしたピンクレディーが爆発的人気でレコード売り上げトップとなり、これも人気絶頂のキャンディーズが突然「普通の女の子に戻りたい」と、引退宣言をしました。

  女子プロレスのビューティ・ペアが、女子中学生や高校生に大人気で、試合前に歌う「かけめぐる青春」がヒットしました。

  そして、ポルノ雑誌の自販機乱立が問題化し、全国各地のPTAが、追放運動のデモを行いました。それらの事が『現代えろちか』に掲載されるのです。

  作家後藤純男が、緊急告発「騒ぎすぎ、王の756号本塁打と球界の変質」と、12ページにわたって「アメリカ大リーグのアーロンの記録とは比較にならない。なぜならアメリカと日本とでは球場の広さが違う」とデータで分析します。併せて江川獲得に必死の長嶋監督を批判して「奢りの巨人軍は、永遠に不滅です」と皮肉るのです。

  問題特集は「シャブ・パニック」です。井上陽水ら芸能界のマリファナ事件では、「マリファナは覚せい剤とは違う」という論争が起こりました。

  黒田紘一は、やがてこれが「白い粉」の誘惑にも誘い込まれることになる。と覚せい剤にまつわる恐ろしい実態を、常習の女性たちを追って警告します。

  ルポに、近江光「ピンクレディーに変身したジーパ姿のイモ娘」、川口亮「キャンディーズは芸能界を引退しない」など芸能界の裏側に迫るのです。

  エロチックを任ずる雑誌ですから、性に関するスクープも満載です。「現代の病根レスビアン」「ホモ乱交の世界」「女性の腹上死急増」など、このたぐいの雑誌は永遠に不滅であります。

(毎週日曜日掲載)

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