2006年 6月6日 (火) 

       

■  〈In Region〉100%自然素材の塗料を売る 石川公一郎さん(39)

     
  シオン社長の石川公一郎さん  
 
シオン社長の石川公一郎さん
 
  矢巾町流通センター南にある株式会社シオンは100%自然素材を使用した塗料と接着剤の製造・販売会社。コンサルタント経験のある石川公一郎さん(39)が3年前に立ち上げたベンチャー企業。まだ計画通りの動きになっていない様子だが、徐々に販路も広がる傾向にあり、今年に期待を懸ける。

 同社の製品は4種類。青森ヒバ油やニカワ、ベニ花、赤キャベツなどの原材料を使用した自然塗料が特徴。「木塗油(きとゆ)」は油性タイプで「木塗水(きとすい)」は水性タイプ。

  蜜蝋(ろう)を使用した「木塗蝋(きとろう)」はツヤだしの油性ワックスタイプ。フローリングや家具、天井、建具などが用途。木酢液を混ぜた「匠(たくみ)」は、天然接着剤で木部、コルク、天然カーペットなどが用途。価格は1キログラムで6、7千円。

  石川社長はワイズマン時代は株式公開準備を担当し、県産業支援センターではインキュベータマネージャーを務めた。日本ホームスパンの株式公開支援も手掛けた。

  県内企業の株式公開や企業経営を支援する側から、実際の企業経営に携わることになったのは03年の9月。「ある研究主体の会社から相談を受けたことがきっかけ。当社の木塗油の原型になる商品を開発した会社だったが、負債が多く販売も進んでいない状態だった」と言う。

  石川さんは「岩手を活性化するには農林水産業の再生が必要と考えていた。食品関係は頑張っているが林業はまだ弱い。その会社の相談を受けながら自分で経営する気持ちが強まった。その会社も装置などで支援することになりいつの間にか自分で起業する運びに」とベンチャー起業家になった契機に触れた。

  これまでは事業計画を立てたり金融機関との融資折衝などを行っていた。「株式公開を目標とした事業計画を立ててスタートした。しかし現実は計画通りに動かない。それどころか製品が売れない。100%自然素材で商品には自信があったが。工務店に営業を掛けても浸透しない」と3年前を振り返る。

  県内の塗装築業にはドイツ製が浸透していることや新規が入り難い工務店などの事情に直面した。石川さんは「ドイツ製の溶剤に化学系の素材が含まれている。当商品は100%天然。日本古来のニカワを使用している。価格はそう変わらないがドイツ製を使っている工務店は多い」と言う。

  困り果てたがそれでも営業活動を続けネット販売なども開始した。少しずつだが注文も入り出した。無添加住宅を開始した建設会社からの受注。手作りの木工品で著名なオークビレッジ(岐阜県)からの「匠」の注文などが入り始めた。

  今年に入り国産材と健康重視の塗料などを利用促進する工務店で組織する地域主義工務店からの発注も舞い込んできた。石川さんは「全国の40工務店の組織。岩手県の工務店も入っている。住宅雑誌「チルチンびと」を発行する風土社からのアプローチだった。良質な建材などで家を建てることが目的の組織づくり。おかげで、少しずつだが、リピートも」と石川さん。

  「ユニクロの柳井会長はビジネスは9敗1勝と言っていたが実感した。コンサルタントと実利は違う。コンサルタントはあくまでも外部。今は経営の主人公で、その差の違いに痛感している。しかし起業した以上つぶすわけにいかない。大きな計画を立てるより、今は1つ1つ小さな実績を積み重ねていく時期。1つ1つ」と話す。





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