2006年 6月7日 (水)
■ 〈IGR巣子駅間もなく開業3カ月〉3 地権者1人かたくなの構え
地権者交渉が継続中で、未開通になっている巣子駅線の東端。写真左側の建物の奧に巣子駅がある
元地権者の男性(78)は巣子駅に接続する巣子駅線整備で所有する水田の一部を寸断する形で滝沢村に売却した。この春、水田の施肥量を計算するため測量をし直した。「自分は働きづらいが、みんなのため、地域のためにいいだろうと思って売ったのに」と未開通の道路を見つめる。
道路が未開通になっているのは、村が事業用地取得に臨んだ地権者9人のうちの1人、建設会社を営む日下義忠さんとの交渉が暗礁に乗り上げた状態になっているためだ。
日下さんは、現在住民訴訟で審理中の駅地区まちづくり事業用地取得に絡む村の疑惑が解明されていないことに納得しない。「土地を買いたたいて追い出す気だ」と村の交渉姿勢にも反発する。
昨年12月末に村内の男性を用地交渉の代理人に立てたと村側に伝えたという。それ以来、交渉が中断していると話す。
村の菊池文孝・都市産業支援部都市政策担当部長は「日下さんとは会っているが交渉は代理人とということで5月にも会っている。交渉が中断しているという認識はない。交渉は代理人と継続している」と説明する。
日下さんは「道路を通してほしいというが、売った地権者は村と合意してはんこを押した。協力はしたいがそれだけの問題ではない。自分は被害者だ。『いつまで居座る気だ』と(匿名の)電話も来た。ここは自分の土地だ」と言う。「村長が今すぐ辞めれば話は別だ。次期村長選に不出馬では甘い」と語気を強める。
元田良孝県立大総合政策学部教授(専門・交通工学)は「バスは新しく路線を組むもので利用増の一つのきっかけになる。残念なのはバスや土地の売却に反対している方がいて地域が一つになって盛り上がる機運を逃していること」と話す。
「村も促進策を考えてはいるが、すべてそろって開業にしたかったところを見切り発車した格好。資本投下の現状としてどうか。道路が通らないと他の整備もできない。収用を掛けるにも1、2年かかる」と懸念する。
及川博康・東部地域まちづくり推進委員会長は元駅設置検討委員会委員長の立場から「用地交渉のことは分からない。パーク・アンド・ライドなど当初の目的に従い、進めていくしかない。何十年もかかるわけではないし当局も努力しており、せっついても仕方のないこと」と冷静に推移を見守る。
同じく元駅設置検討委員の佐藤惇郎同推進委福祉部長は「道路を利用したい人の立場からすれば、当局もそれなりに対応策を講じているだろうが、2カ月経過してもその後の姿が見えてこない」と地域の声を代弁する。
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