2006年 6月7日 (水)
■ 村上善男展「計算から混沌へ」 石神の丘美術館で
村上善男展「1950年代を中心に〜冷たい計算から熱い混沌へ…」
先月、73歳の生涯を閉じた盛岡市の美術家、村上善男さんの個展「1950年代を中心に−冷たい計算から熱い混沌へ…」が3日、岩手町の石神の丘美術館で開幕した。今展は、これまでまとまった形で見ることができなかった、50年から60年代までの初期の作品を中心に、70点が展示されている。
今展の準備は半年前に開始。村上さん自身が、3月14日の日付で寄せたあいさつ文で「このくわだては、かねてより五〇年代を総括する機会を、自らの課題とすべく決意していた者にとり、絶好の機会となった」と語る。
サブタイトル「冷たい計算から〜」は、村上さんが56年に開いた個展に寄せた岡本太郎氏の一文から引いた。「幻想的具象から社会的テーマを抱いた抽象表現を目ざしたが、画面は混沌の度を加えるばかりだった」と自身の作品を振り返った。
展示作品は同館とのやり取りを通して決められたが、中には村上さんから強い要望があったものも。盛岡市が所蔵している「座標軸変換」(58年、油彩、画布、130・5×161・7センチ)や、「素因子分解」(57年、油彩、画布、98×130・5センチ、盛岡三高所蔵)など5点は、作家自身の強い思い入れのある作品だ。
村上さんは57年から4年間、岩手町の沼宮内中学に教諭として赴任。その前任地の花巻市湯本時代を「幻想的具象からの出発」、岩手町時代を「社会的テーマと表現」として紹介。続く60年代からの「盛岡・既製品のアサンブラージュ」と、特別出品「弘前・津軽の風土『釘打ち』」の4つの部分に会場を分けて、作品を展示している。
同館学芸員の齋藤桃子さんは「花巻から岩手町、盛岡へと転居するたび、その土地の生活が作品に大きく反映されていることがわかる。作家の人となりや人間味を振り返ることで、作品をより身近に感じられるのでは」と話す。
7月9日まで。午前9時から午後5時まで。観覧料は一般400円、高校、大学生200円、中学生以下は無料。
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