2006年 6月7日 (水) 

       

■  〈Brand Story's Eye〉7 大平恭子 盛岡気分を旅の商品に

 京都にお気に入りのホテルがある。交通アクセスが良いとは言いきれない場所にあるが、顧客満足度がとても高いホテルとして知られている。ホテルとして顧客満足度に結びつく価値要素はいろいろ考えられるのだが、特に個性的なのは宿泊者を対象としたホテル発の商品企画だ。

  一例をあげると「町屋で晩ごはんプラン」。歴史ある建築『町屋』での夕食と宿泊がセットになっており、昔の京都の暮らしを思いながら京都の味が楽しめるプランだ。

  女性向けには「はんなり着物で京都プラン」。これは、着物をレンタルで貸し出し、古都京都をそぞろ歩きしてもらおうというもの。茶の湯体験もセットされ、“着物で京都”の気分を盛り上げる。

  いずれも旅行客にとってちょっと煩わしいと感じる予約・手配の手間を省きつつ、旅行客自身の感性で京都の暮らしの“気分”を楽しむことができるプランである。

  先日、この盛岡タイムスの記事で“第1回素敵に盛岡人生活講座”と題して「盛岡のおいしい水の秘密に迫る」バスツアーが開催されたことを知った。これがなかなか魅力的な内容なのである。

  どういう内容かというと、盛岡の水道の発祥地である米内浄水場からスタートし、鉈屋町の町屋見学、昼食は手打ちそばと盛岡の豆腐、大慈寺青龍水、上野豆富店、豆腐地蔵、そして最後にあさ開・酒造旭蔵と、「盛岡の水」をキーワードに、暮らしと文化と食(=おいしさ)がうまく結びついており、参加者の方々は、水からスタートする“盛岡の暮らし物語”を具体性を持って感じ取れたのではないかと思うのである。

  県外から訪れるわたしの知人は皆、「盛岡は川がきれいで、街は思ったより明るく都会的だ」と褒めてくれる。その川には毎年サケがのぼってくるし、わんこそばや冷麺といった名物もある。温泉までは車で30分だ。そのほか盛岡ならではの素敵なコトを対象層の嗜好(しこう)・時間・費用を想定してセンス良く組み合わせたら“盛岡気分”が伝わる、魅力的なプランが出来上がるのではないだろうか。

  マーケティング・コンサルタント/ブランドストーリー代表
  ブログ;Brand Storyのストーリー http://www.brandstory.jp




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