2006年 6月8日 (木) 

       

■  〈IGR巣子駅間もなく開業3カ月〉4 利用増には周辺開発も

     
  巣子駅は利用者に愛されるマイレールの拠点になれるのか(3月18日撮影)  
 
巣子駅は利用者に愛されるマイレールの拠点になれるのか(3月18日撮影)
 
  巣子駅の利用者を増やすには、巣子駅線の整備に加え、今回断念したコミュニティー施設など関連施設整備を進め、民間開発による人口集積が必要だと滝沢村は考えている。その具体的な見通しは現時点ではない。

  駅利用者数の低調さについては、巣子駅線の未開通や循環バス運行見送り以外に、駅の設置場所などを原因に挙げる声もある。

  村は巣子駅予定地として南北、中央の3案を検討。駅設置検討委員会の答申を踏まえて最も北側に当たる長根踏切北側50メートルの現在地に設置を決定した。

  3月18日の新駅開業を祝うセレモニー。駅周辺3自治会で駅から最も遠い南巣子自治会の70歳代の男性は自転車で現地を訪れた。

  「一番南側にできたら利用したがこの場所はどうかな。路線バスは多少運賃は高いが盛岡市内の中まで入る。電車で行けば盛岡駅からまたバスに乗らなくてはならない」と、敬遠気味だった。

  元田良孝県立大総合政策学部教授も「利用率が低いのは場所の不便さ。本当なら南だったが地形上の事情もあった」と分析する。

  タクシー運転手の男性(51)は平日の日中、駅のタクシー乗り場で一人、客を待っていた。
  「1日当たりで午後に1、2人の利用。滝沢駅でも1日4、5人。せっかくできた駅だからと待機している。巣子地区中心部から配車もあるのでなんとかやっている。循環バスが通るから利用が増えるかは疑問だ。利用が増えるのは望んでいるが財政が厳しい中、こんなに投資をして…」。

  04、05年に現在地への駅設置反対を訴え、住民監査請求をした「住民がのぞむ新駅を考える会」。鈴木哲史事務局長は駅利用者の立場で「どこにできても、駅ができたこと自体は便利だ」と話す。

  一方で「一番乗車が多い午前7時台の上りでホームに100人程度。今後も1日平均600〜700人ではないか。それ以上増えるとは思わない。その理由は設置場所もある」「駅ができた以上、どう利用促進していくか。会自体は休眠しているが、工事中の部分は見守っていきたい」と話している。

  IGRの旅客運輸収入の確保には、定期販売で安定収入を得られるかが鍵だ。運賃はJR比較で1・65倍と、激変緩和措置ながらも割高で、距離などから単月だと回数券の方が安くなる場合もある。ある利用者の男性は「目標とした乗降客数がIGRの黒字転換を理由に一人歩きしている」と指摘する。

  マイカーによる道路の混雑や渋滞解消、温室効果ガス削減のためにも、公共交通・鉄道の利用は理想的だ。

  しかし沿線住民の鉄道利用の判断材料は、運賃設定や接続など利便性にある。IGRや構成する県、沿線市町村が利用者ニーズを的確にとらえ、県民が「マイレール」と認める一層の努力が求められている。  (おわり、大崎真士記者)



 




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