2006年 6月8日 (木) 

       

■  〈八幡平リンドウ交流〉2 石川淳子 花を生かしたまちづくり

 南半球、オーストラリアの東に位置するニュージーランド(以下NZ)は、大きく分けて南島と北島の二つの島からなる日本と同じ島国だ。その東海岸、カンタベリー平野の中央に位置し、南島の玄関口と呼ばれるクライストチャーチ市は、人口約34万の南島最大の都市。

  日本とは季節が逆のNZ、現地は夏の終わりの気候を予想して盛岡を出発したが、空港に到着し外に出ると、風は肌にひやりと冷たい。NZでも南極に近いクライストチャーチは、強い日差しに目がくらむほどであるが、日本の東北と同じく冷涼な気候が特徴である。

  クライストチャーチはその名の通り大聖堂を中心とした美しい街づくりがなされている。1850年には“Garden City(庭園都市)”を宣言した。

  街の8分の1は美しいイギリス式の公園や庭園が広がり、西側にはサザンアルプスの山々、市内を流れるエイボン川の水辺にはカモが遊び、川に浮かぶパンティング(細長いゴンドラに乗り、ボートマンが長いさおを使いゆったりと川をこぎ進む舟遊び)も目に楽しい。

  住宅街に足を踏み入れると、イギリス風の白い壁・レンガ色の屋根の瀟洒(しょうしゃ)な平屋造りのこじんまりした一戸建ての町並みが続く。

  広く取られた住宅街の道路の両側には塀はなく、各邸宅150平方メートルほどはある前庭が面して
いる。よく手入れがされた美しい芝生にバラやハーブなど季節の色とりどりの花が咲き乱れ、道行く人々の目を楽しませている。

  庭園都市としてのクライストチャーチの核を形成しているのは、行政がつくりあげたものではなく、市民の庭である。美しく管理されたおのおのの市民の庭の集まりが、全体として都市の美観をつくりだしているのだ。

  こちらでは、市内で一番美しい庭を選ぶ〓ガーデンコンテスト〓が毎年開催され、コンテスト参加はもとより運営にもボランティアベースで多くの市民が参加している。

  このコンテストにより市民の緑化・美化に対する意識が高まり、園芸技術は格段に向上したとのこと。町づくりについて、そこに住む市民自身が考え、努力することによって大きな力を生みだしたよい例であろう。

  八幡平市においても、旧安代町時代に「安代を日本一花のあふれる町にしよう」と、中心市街地活性化の事業とも関連させ、商店街にハンギングバスケットやプランターが設置され、未利用だった山の斜面を活用して「リンドウガーデン」の整備が進められた。

  日本と海外の事情の違いはあるけれども、観光客誘致についてクライストチャーチに学ぶ事例は多い。リンドウ生産日本一の八幡平市、今後の花を生かした豊かな町づくりにも期待したい。
  (つづく、ジェトロ盛岡貿易情報センター所長代理)




 




本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします