2006年 6月9日 (金) 

       

■  〈EU見たまま〉ドイツ編9 小野吉郎 ニュルンベルグ 

 ここは「おもちゃの町」、中世の絵画の巨匠「デューラーを生んだ町」、音楽の世界ではワーグナーの歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー(名歌手)」を連想させる。さらにドイツでの鉄道発祥の地であり、西のフュルトの町を連絡したのが最初の鉄道線。

  だからこの町には、おもちゃ博物館、デューラーの家、オペラハウスとその隣に鉄道博物館がある。神聖ローマ帝国の古城もある。

  消された暗い過去
  北の丘の上にはカイザーブルクという中世の城郭がある。そのまわりに中世の街並みが残っていてロマンティックな雰囲気があふれている。石畳の坂道などがある。この町は90%近くが第二次大戦で破壊されたが、昔通りの姿に復興している。

  かつて1933年にここで第1回のナチス党大会が開かれ、ナチスの記念物が建てられたことが、大戦後戦犯の裁判が行われるという、暗い歴史を持っている。

  ドイツで一番おいしいソーセージ
  その一方、ここで毎年「おもちゃの国際見本市」が開催される。ドイツ人は「ニュルンベルク」と聞いてまず思い浮かべるのが「ニュルンベルクソーセージ」。小さく小指ほどの大きさ。これをじか火で焼き、油を落として食べる。カリッとして香料の利いた味はピカイチ。ドイツ人に言わせると「ドイツ中で一番おいしいソーセージ」だそうだ。

  一般にドイツ料理は日本人には食べきれないが、ここの料理は日本人の胃袋の大きさに合っている。食べ残すどころか、むしろ追加を注文したくなるだろう。これにつけ合わせて食べるドイツの代表的料理は、ザウアークラウト、酢漬けのキャベツにソーセージやベーコンが付く。

  フランスのアルザス料理というか、パリでもよく食べるシュークルートとよく似ている。

  デュラの家
  この家は500年以上前に建てられ、戦後復興したものだ。ドイツ各地には有名人の住んだ家や生まれた家が多く保存されている。しかし、これほど古いものはめったにない。

  アルブレヒト・デュラはドイツのルネサンス時代を代表する画家であり、版画家だった。ニュルンベルクの金銀細工師の家に生まれ、初め父親のもとで修業した。

  その後、今のベルギーに相当するフランドルで、またアルザスのコルマルでも版画家として修業を続けた。さらにストスブールやバーゼル、フィレンツェ、ベネチアを経て、ニュルンベルクに戻る。現在ルーブル、プラド、ミュンヘンにある「自画像」は西洋美術の中で最初に自主的に描かれた自画像といわれた。ルネサンス時代の画家でイタリアの巨匠たちに太刀打ちできる唯一のドイツ人画家といわれた。


 




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