■ W杯より馬コで勝負 滝沢村の帽子製造会社がTシャツ販売
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口コミで人気の出ているフレッシュのチャグチャグ馬コ・グッズを手にする柴田社長と「チャガ」をデザインした吉田さん
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製帽・刺しゅう・プリントの「フレッシュ」(滝沢村滝沢字穴口、柴田修丞社長)は国無形民俗文化財チャグチャグ馬コ行列当日の10日、同村の鬼越蒼前神社境内と村役場前でTシャツなどオリジナル土産グッズを限定販売する。「東京ディズニーランド」(TDL)スタッフの帽子や「バーバリー」の刺しゅうを請け負う確かな本職の腕を活用。柴田社長(68)は従業員とともに本職を生かした新たな広がりに挑戦し続けている。
同社は馬コ見物で同村を訪れる観光客の土産として試行的にグッズを製造、販売している。今年が3年目になる。馬コのオリジナル・キャラクター「チャガ」やロゴ入りのTシャツ、ハンカチや刺しゅう入り小物など10種類がある。当日は計500点を販売予定。
「チャガ」は色鮮やかな装束をまとった青い瞳の白馬。デザイン担当の吉田美由香さん(21)が製作した。「装飾が多いのできらびやかなデザインにした」という。
はんてんをイメージして濃紺地に赤で大きく「祭」、その中央に「蒼前」と書かれ、馬の親子の走る姿が描かれたデザインも人気。「土産だけでなく当日の運営スタッフの制服に採用してもらえたら」と吉田さんは期待する。
柴田社長は「村内に馬コの土産物が見当たらなかったのが製作のきっかけ。本職のノウハウを生かしてメッセージを出したかった。まだまだ勉強不足でどの店にも声を掛けていないので、当日限定で販売する」と説明する一方、来年の馬コに向けた計画を既に社内で話し合っている。
同社は、柴田社長の父親が盛岡市の旧柳新道で昭和初期に開店した帽子店が母体。柴田社長は中学卒業と同時に東京や大阪で武者修業し、この道一筋50年のキャリアを持つ。1967年(昭和42年)に店を継ぎ、75年に法人化した。
「帽子店はスーパー、百貨店に対抗できない」と業態を製造に特化した。柴田社長と事務を担当する妻・美代子さん(62)、従業員の20人体制で事業を展開している。
柴田社長は「帽子業界は事業所スタイルではなく、家内工業的に行われている。高齢化で廃業が増え、たとえば東京消防庁の製帽何千個というまとまったロットに対応できないのが現実」と話す。
業界が衰退する中、堅実な仕事を続けてきた結果、帽子問屋の製造部門撤退などもあり、ここ数年で中間業者からTDLスタッフの帽子製造を受注するようになった。10年前に導入した刺しゅう技術で「バーバリー」のワンポイント刺しゅうも請け負っている。
「斜陽産業と思われていたが、仕事も出てきている。最低需要はまだあると思ったのはここ数年。ここへ来て広がりを感じる。もうかる、もうからないではなく手堅くやっていれば賽(さい)は投げられる」。
JR九州の制帽発注を受けるなど「大手の話も飛び込んできた。全国市場で本県から発信できる可能性がある」と実感する。
若手には日々変化するカジュアル帽子のデザインにアンテナを張るよう博覧会へ派遣するなど、人材育成にも積極的だ。
衣料品のワンポイント刺しゅうが定着する中、デザイン性の向上が目覚ましいという。「ミシン刺しゅう品でも芸術とまでいかなくても技術を高めたい。岩手の土産として郷土芸能や文化財など色鮮やかなものを刺しゅうで作れたら」と新たな挑戦に視野を広げる。要望に応じてお客のアイデアの商品化にも取り組む考え。
馬コ土産グッズや商品化の問い合わせは電話019−641−2445へ。
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