先日、剥(はく)落寸前で石室からのはぎ取りに成功した特別史跡キトラ古墳の壁画「白虎(びゃっこ)」が話題となりました。白虎は、西方を守護する細長い体をした白い虎の形をしている中国の伝説上の神獣で、西方を守る神とされ四季では秋を表し、清涼という意味を含んでいると言われます。
この白虎は漢方とも関係があり、今回はそれについて説明したいと思います。
どのような関係があるかというと「白虎湯(びゃっことう)」という漢方薬があり、現在でも症状や体質に合わせて使用されています。
知母(ちも)、石膏(せっこう)、甘草(かんぞう)、粳米(こうべい)の4種類の生薬で構成されます。配合量の多い石膏の白色をとって命名されたとも言います。また白虎湯は体の熱症状(ほてりやのどの渇き)を冷ましてくれますが、これも清涼という意味に通じます。
配合されている生薬の知母はユリ科のハナスゲの根で、石膏は鉱石です。ともに解熱の働きがあり、カルシウムを多く含む石膏はさらに鎮静作用もあります。粳米はお米のことで発熱で消耗した体力を補い、石膏の胃への負担を保護してくれています。甘草はマメ科の植物で粳米と協力して体力を補い、処方全体のバランスを整える目的で配合されています。
どんな症状に使われるかですが、厚生省の定める薬局製剤業務指針の効能効果は「のどの渇きとほてりのあるもの」となっています。
漢方薬の効能効果は1つの基準ではありますが、実際にはさまざまな疾患に応用できます。清涼という熱を冷ます働きがありますので、発熱し口渇があり、うわごとなどを言うとき、ほかに日射病、湿疹や日光湿疹、アトピー性皮膚炎などで痒(かゆ)みや赤みなど熱感が強い場合や糖尿病で口が渇くといったときにも使用します。
この白虎湯に桂皮(ケイヒ=シナモン)を加えると白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)になり体の痛みに使い、白虎湯に人参を加えたものは白虎加人参湯で白虎湯より元気を補う力と渇きに対して潤す力が強化されたものになっています。
中国医学は数千年の歴史とよく言われますが、白虎湯は西暦200年ごろには既に中国で伝染性の発熱疾患に使用されております。これが現在でも使われていると思うとこの歴史に改めて感動させられます。(和漢屋薬局、盛岡市仙北2の9の1、電話019-631-1193、http://www.wakanya.jp/)
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白虎湯(びゃっことう)
【成分・分量】
知母 5.0
石膏 15.0
甘草 2.0
粳米 8.0
以上4味 30.0g
500ccのお水を加えとろ火で半量になるまで煮詰め1日分とし、3回に分けて服用
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