2006年 6月10日 (土) 

       

■  世界が認めた品質 スポーツドンリク「ベスパ」を売る川原康範さん(50)

     
  川原商会の川原康範社長  
 
川原商会の川原康範社長
 
  100%天然アミノ酸配合スポーツドリンク「VESPA(ベスパ)」が、国内外のアスリートたちに市場を広げている。スズメバチの栄養液を主原料にローヤルゼリー、プロポリス、はちみつなどの天然素材を配合したスポーツドリンクで、安全で疲労回復に効果があるとされ、国内はもとより世界のオリンピックメダリストにも支持される。製造・販売するのは盛岡市清水町の川原商会(川原康範社長)。創業57年になる地場企業が96年に発売した。3代目の川原社長(50)は、地道な営業展開を進めながら新たな盛岡ブランドをつくり出した。

 同社はラムネの製造販売からスタート。その後、60年代に入り人工甘味料や化学調味料などに対する安全性が疑問視され、天然果汁100%のリンゴジュースの製造販売を開始した。砂糖や水を使用しない独自な製法で98年から、8年間連続モンドセレクション金賞を受賞している。

  同社は93年、ユーカリの森で採取される良質のプロポリスを使用した健康維持飲料「プロポリスC」、94年「ベスパ」を相次いで新発売し、新たな分野での市場開拓に歩み出した。

  製品の開発は藤原養蜂場との共同研究。川原社長は「養蜂場とは長年の知り合い。一緒に勉強しながら開発に着手した。Cを発売したところ、リピーターの多い商品であることが分かった。そしてCをベースにしスズメバチの栄養液を取り込んだベスパの発売を開始した」という。

  スポーツドリンク市場新分野だった。まず開拓することから始めた。県内の中学・高校のスポーツ部を一つずつ訪ねながら販路を広げた。「試してもらいながら人と人の関係で地道に広がった。県内から東北、そして関東へと少しずつだが全国に」と川原社長。

  97年、川原社長は私用でカナダに渡った。そこであるカナダ人と知り合い、商品が気に入られ北米での販売代理店が設立された。以来、北米輸出が始まった。

  「FDA(米食品・医薬品局)の許可申請に手間がかかったが無事通過した。盛岡で製造した商品が北米で売られ、トップアスリートからも支持を得た。ハイクオリティーと評価された」と話す。

  輸出が契機となり01年にはフィギュアスケート選手アレクセイ・ヤグディン氏と専属契約。同氏は02年、ソルトレークシティオリンピックフィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得した。

  「ベスパ」は一躍世界ブランドになった。国内の大手スポーツ専門店や大手問屋の取り扱いも増え、国内小売りにも浸透した。

  「それまでは盛岡の小さな会社が大手問屋などを訪ねてもほとんど応対されない。海外で評価されたことが信用となり、仕事が随分しやすくなった。それまでの地道な営業があったからこそ」と言う。

  同年、従来の瓶製造ラインにアルミパウチ型製造の新機械を導入し「ベスパプロ」(希望小売価格735円)などを発売した。「当社で最大の投資だった」と川原社長。

  その後「ベスパダイエット」(希望小売価格525円)や「ベスパオレンジ」(367円)、100%ストレート果汁「北の旬搾り ぶどうジュース」(200円)なども開発し19アイテムに商品が増えた。

  首都圏の大手小売店などからの引き合いが絶えない。経営分析を行い、自社の強味や弱味を明確にした。川原社長は「強みが弱みになり、その逆もあるうる。当社に豊富な資金があれば、その都度容器資材を変えて製品化したかもしれない。ヒットしなければ大きな負債を抱えることになる。これしかできなかったことが結果的によかった」と現状を冷静に見る。

  3年後の09年は創業60年。「どのような規模の会社にするかはこれから」と笑う。

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