2006年 7月2日 (日) 

       

■  〈In Region〉岩手にはヒースが似合う 西川眞一郎さん(58)

     
  庭園で花の時期を迎えたエリカを前にヒースの魅力を語る西川眞一郎さん  
  庭園で花の時期を迎えたエリカを前にヒースの魅力を語る西川眞一郎さん  

 イギリスの著名な小説「嵐が丘」の舞台にもなった「ヒースの丘」。ヒースは主にツツジ科の常緑低木で、欧米ではヒースをグランドカバーとしてパッチワークのように植え付けたヒースガーデンもよく見かけるという。この植物を岩手に広めたいと願っているのが、滝沢村巣子のヒースランドいわて社長の西川眞一郎さん(58)。「北国の岩手の気候、風景にはヒースが似合う。ガーデニングには流行もあるが、東京と同じではなく岩手に根差した庭造りも魅力」と提案する。

 ヒースランドいわては、東京の造園会社で設計の仕事に携わっていた西川さんが独立し、1999年に創立。会社員時代の82年、御所湖の広域公園の設計を任されて岩手に移り住み、以来24年、岩手の雄大な風景を見詰めてきた。

  「岩手で生きていくことを決め、この地で何ができるかと考えたらヒースしかなかった」と、転身の理由を話す西川さん。ヒースが日本であまり普及しなかったのは、暑さと湿気に弱いため、関東以南では生産が難しいこともあった。冷涼な北海道や北東北の一部では生産に取り組む人もいたが、規模が大きいものではなかった。

  98年に長年勤めた会社を辞め、本場イギリスに通って英国ヒース協会会員に。仕入れの許可を得て、現在同社で扱うヒースは約200種になった。ヨーロッパ・ヒースといわれる耐寒性のあるエリカ属、カルーナ属が中心で、種類によって葉や花を楽しむ時期が異なるため、全体では1年を通して楽しむことができる。

  例えば葉の色だけでも楽しむことができるカルーナ。「季節によって黄色が真っ赤に変わったり、明るい緑が山吹色に変わったり、多様に楽しめる」。取材の日は花の時期を迎えたエリカがあり、白色やピンクの小花がじゅうたんを敷き詰めたように美しかった。

  会社員時代には県内の公園も手がけたが、どちらかというと建物の設計の依頼が多かった。

  「自然に恵まれた岩手なので、大事なお金をかけてまで緑地を造るという考えが東京ほどではなかったかもしれない」と納得していたが、「どこかひっかかりがあった。そのことが今の仕事につながっているのかも」と言う。

  首都圏の公園づくりでは、樹林を重層的に組み合わせていく緑地づくりの方法がよく取られるというが、「東京と岩手では植栽計画が違う。岩手では小岩井農場もそうだが、牧草地など広々としたところに木が立っているような風景も似合う」と考える。「個人の庭造りでも毎年違う苗を買ってきて植えるのも楽しいが、ある程度の骨格をつくって集約的に計画するのもいい。ヒースがそのお手伝いをできればうれしい」と話す。

  ハウス9棟での育成は、西川さんと妻の百合子さん(58)の2人の作業。いい状態で苗を提供するため、葉が伸びきってしまわないように管理し、手入れをすることに追われる

  5月には有志8人で岩手ヒース研究会も発足した。「これほどの人にヒースに関心を寄せてもらえてうれしい。ヒースの普及はまだまだこれから。どのような形で広めていけばいいのか一緒に考えていきたい」と意欲を語った。

  ヒースランドいわての営業時間は午前8時から午後6時半ごろまで。問い合わせは、ヒ
ースランドいわて(電話694−1260)まで。


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