2006年 7月2日 (日) 

       

■  子供たちに表現力を 盛岡大学児童講座で学生が演劇コンテスト

     
  盛岡大学児童教育講座の表現コンテストで舞台に上がった学生  
  盛岡大学児童教育講座の表現コンテストで舞台に上がった学生  

 盛岡大学の児童教育講座で1日、テーマ劇による表現コンテストが盛岡市の渋民公民館で行われた。同大学は文科省の大学・大学院における教員養成推進プログラム(今年度は資質の高い教員養成推進プログラムに改称)で「教育コミュニティーによる実践力の養成と評価」が採択され、05年度から2カ年、1〜4学年の異学年縦割りクラスの編成と地域の教育拠点校を用いた講座を開設している。表現コンテストはプログラムの一環。予選を経た8クラスが約10分のテーマ劇を上演した。

 同プログラムが養成を目指す教員能力は、学びがいのある授業を構成し実践する能力、すなわち授業観や学習観、課題解決能力、知識や技能という能力、もう一つが子供、保護者、他の教師とのより良い関係を構築できる対人関係能力、すなわち共感的理解、自己表現力、集団指導力といった能力という。

  全学年がまんべんなく所属する50人規模のクラスを編成し、大学教員、同市内や滝沢村内の教育拠点校8校とでコミュニティーを作り連携する。

  児童教育講座では、2つに大別された能力の観点からプログラムを編成。その一方が授業・表現コンテストとなる。教員の卵である学生に児童や生徒の学習意欲や探求心を引き出すための実践力を備えさせようと、授業と劇のコンテストを組み入れた。前年度、学生有志が自主的に表現コンテストとしてテーマ劇を上演。その際、審査員を務めた拠点校の小学校教員から取り組みが評価され、今年度、正式にカリキュラムに取り入れた。

  学内8クラスにはそれぞれ6グループが編成され、4月からコンテストに向け取り組んできた。6月、クラスごとに予選を実施。各クラスの代表1グループが同日の本選に出演した。

  今回のテーマは「地球」。大きく抽象性のあるテーマから、それぞれがサブテーマで具体性を持たせ、オリジナルの脚本、演出で芝居づくり。コンテストでは中身だけでなく、相手に伝える表現力としての演技も問われた。

  本選に出場したグループは家族愛や命、環境、貧富といった観点から「地球」に切り込んだ。表現の対象は小学生と仮定され、いかに分かりやすく、そして関心を高めるような投げかけができるかどうかがポイント。わずか10分だが、観客を飽きさせない展開も求められた。

  「虫たちの墓」という作品は、地球にある命をサブテーマに、嫌われ者のゴキブリを取り上げ人間のように「虫にも家族や友達がいる」と問いかけた。飽食と飢餓をサブテーマとした作品「僕らの地球の片隅で…」は、給食で嫌いなものを残したり食べ物を遊び道具に使う子供たちが、フィリピン・マニラのスモーキーマウンテンの劣悪な環境で暮らす様子に触れ、心を改めていく過程を描いた。

  同大児童教育学科の佐藤康司教授は「テーマ劇はテーマの中身を考え、知識を理解するとともに、教師としての表現力を身に付ける効果が期待できる。ベースには異学年で交流することで対人関係が広がっていくことがある」と話し、教育現場では道徳や総合的な学習の導入として活用し問題意識、課題意識を持たせることが想定できるという。

  コンテストは今後、授業についても行う。


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