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腐葉土というと、カブトムシの幼虫なんかがヌクヌクとくるまっているアノ土のこと。ユニークな画風で独自の世界を描く飯野さん、この土くれを主人公に見立てました。飯野作品では、粘土や備長炭にでも生命を吹き込んでみせることがしばしば。驚くほどのことではありません。
山の幸、木の実や葉っぱを食べてまるまると育ったなんとも愛きょうのある女の子、その名も、ふよこちゃん。ふよこちゃんからは豊かな大地のかおりが立ちのぼって、山に棲(す)む動物たちを幸せな気分にするのです。それだけではなく、昔は人間の畑仕事を手伝ったり、よく働いたものだという話を、お母さんから聞いたりもします。今でも、ひなたぼっこしながら山から見下ろす風景は一見のどかですが、でも、昔とはどこか違っていて…。
自身も山奥の農家で自給自足の少年期を過ごした作者のノスタルジーにとどまらず、大切なものを踏み外したまま行進を続けるエセ文明社会への警句が織り込まれているかのようです。流儀は、あくまでのたり・のたりの飯野流なんですけれど。
【今週の絵本】『ふようどの ふよこちゃん』飯野和好/作、理論社/刊、1260円(税込み)5歳〜(2005年)
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