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岩手大附属中学校PTA主催の講演会で、身につけさせたい英語力についてグループで話し合う保護者と山崎友子教授(中央) |
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岩手大学附属中学校PTA教養部主催の英語教育をテーマにした講演会が3日、同校で開かれた。同大教育学部の山崎友子教授が「今、英語教育を考える〜身につけさせたい英語力とは」と題して講演。附属小中学校の保護者が出席し、英語教育について考えた。
▽東大の構内で学生に道を尋ねたら、場所を指さしただけで一言も発しなかった▽抜群の成績で留学したにもかかわらず、留学先で引きこもりになってしまった▽テキストに沿った質問にはスラスラ答えるのに自分自身の将来についての質問には、しどろもどろになってしまう−。山崎教授は英語の成績は良くてもコミュニケーション能力の不足で失敗した例を挙げながら、英語を使う本人の思考力や人間性を養うことの大切さを説いた。
英語圏の多くは、文脈から深意を察するというような文化が薄く、あうんの呼吸でのコミュニケーションは成立しにくい。誤った言葉の使い方は人間関係も危うくする。どのように話せば分かるのか、言葉の役割を理解し、言葉そのものを大切に使うことを意識する必要があるという。
暗記だけの学習では、こうした力は養われず、物事をいろいろな角度から創造的に考え説明できる「批判的思考」や文法・意味・機能といった言語に対する見識を総合的に高めることが求められる。山崎教授は「相手に何を伝えるのか。言葉によって表現されるのは自分自身」とも述べ、全人教育の重要性を強調した。
国際化、グローバル化が進む中で英語の必要性が叫ばれ、国も英語が使える日本人育成のための戦略構想を掲げて力を入れている。ともすれば「競争に勝つための道具」として英語を学ぶことが語られるが、山崎教授は「多言語、多文化の中でお互いの違いを理解し、相手を尊重する共生の原理に基づいた教育も求められる」と指摘。岩手の留学生の大半をアジア系の学生が占めていることや農村で外国人の花嫁を迎えている実態なども踏まえ「英語に加えて、地域で進んでいる国際化への対応も考えるべき」と述べた。
長崎出身の山崎教授のもとに、ガーナの知人から8月9日に届いたビジネスメールには要件のほかに広島、長崎の原爆投下への深い哀悼を表すメッセージが加えられていたという。「会議で1度会っただけ。長崎県出身ということを伝えただけだったが、このようなメールが届き感動した。まさに共生の原理の実践」と紹介。
「世界的な常識を身につけること。自分と違うということは不快なものかも知れないが、違ったものも受け入れる寛容な態度を育てる必要があると思う。『英語が』ではなく『英語も』できる日本人を目指したい」と締めくくった。
■実践的英語力を望む保護者
同PTA教養部では講演に先立って、附属小中学校の児童生徒、保護者を対象に英語教育に関するアンケートを実施した。小中学校の保護者とも実践的な英語を身につけてほしいという回答が9割を超え、学校以外で英語を習っている割合は小学生で45%、中学生は60%に達した。
小学校での英語教育の必修化については64%が賛成している。荒川加代子教養部長は「自分のことを振り返っても生きた英語はなかなか身についていない。子供たちには本当の意味でしっかりとした英語力を身につけてほしいという願いが強い。英語を話すことのみならず、英語を使ったコミュニケーションや人間性を磨くことの大切さが分かった」と話していた。
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