2006年 7月30日 (日) 

       

■  〈In Region〉次世代省エネ住宅が完成 熱損失係数0.94Wを実現

     
  完成見学会が行われるドットプロジェクト運動の第1号住宅  
 
完成見学会が行われるドットプロジェクト運動の第1号住宅
 
  岩手における高水準の省エネ住宅の普及、定着を目指し昨年5月に発足したドットプロジェクト(Dot Project、座長・佐々木隆県立大学盛岡短期大学部教授)による第1号住宅が、盛岡市東黒石野39の5に完成する。住宅の熱的性能を見る指数の一つ熱損失係数(Q値)で0・94W/平方メートルK(以下ワット)と、日本の次世代省エネ基準1・9ワットの約半分と高性能の省エネ住宅を実現した。8月5、6日、第1号の完成現場見学会が開かれる。

 同プロジェクトは県内を中心に住宅や設備などのメーカー、建築家や研究者、エネルギー事業者らが会員。25団体の30人が現在加入している。日本に、資源の有効利用を図るEU並みの省エネ住宅を普及し、質の高い生活を提案していこうと設立された。

  エネルギー自給率の低い日本での消費量抑制、住み手の光熱費節減による経済的負担の軽減と快適な住まいの提供に寄与する利点を今後、市民にアピールしていく。具体的には暖冷房、給湯、家電などに使うエネルギーの消費量を次世代の省エネ基準の半分以下に抑える運動。今後、普及啓発とともに、岩手型省エネ基準の策定と認証制度導入につなげたいという。

  同プロジェクトでは日本の実態について、92年の新省エネ基準の熱損失係数2・7ワット、99年の次世代省エネ基準の同1・9ワットは低いハードルと位置付け、独自に同プロジェクト基準を約半分の1ワットと定めた。Q値は低いほど熱的性能が高いことになる。同プロジェクトの資料では、家でのエネルギー消費量が次世代プロジェクト基準に比べ半分以下、新省エネ基準の約34%に抑制できる計算だ。

  同プロジェクトの会員、エネルギーアドバイザーの長土居正弘さんは、施主が次世代省エネの言葉によって、さらに高い水準の省エネが可能なことを知りにくい現状を指摘。ドットプロジェクトの基準は実現不可能ではなく、例えばスイスでは、1ワット以下を省エネ住宅と指すのが常識となり、普及している。

  住宅の省エネは断熱や気密、換気、日射遮へいなどによって性能を高める。同プロジェクト第1号住宅を施工した岩手ハウスサービス(安藤敏樹社長)は創業20年の地元企業。在来工法で全館暖房の注文住宅を主に手がけてきた。同社が05年度いわて省エネ・新エネ住宅大賞を受賞した家はQ値が1・23ワット。前年度に準大賞を受賞した家のQ値は1・07ワットで、同プロジェクトが昨年定めた基準に近い実績を残している。ほかの会員も1ワットに近いQ値で入賞している。

  岩手の気候風土から暖房のエネルギー消費が特に重要だが、モデル第1号住宅では断熱材を外、壁中で合わせて150ミリと厚くし、一般に熱貫流率が悪い窓の部分についても、高性能のスウェーデン製3層サッシを用いるなど、さまざまな工夫を施し0・94ワットを実現させた。

  木造2階建てで延べ床面積144・91平方メートルの規模。コンロがガス以外は電気エネルギー。同社の通常の施工に比べ坪単価は3〜5万円割高となるが、現在の石油相場から換算して15〜20年で上乗せ分を燃料費の抑制で相殺でき、今後の石油値上がりによってはさらに短期間でペイする可能性もあるという。

  見学会は2日間とも午前10時から午後6時まで。問い合わせは岩手ハウスサービス(電話663−3833)へ。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします