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東北芸工大が出版した「舞台評論3」 |
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山形市の東北芸術工科大学東北文化研究センターの雑誌「舞台評論3」が刊行された。同大の森繁哉教授が編集し、盛岡市の作家の斎藤純氏の「北東北とモダニズム」、江刺の鹿踊りに関する研究など、本県をはじめとする東北の芸能文化に関する論考を収録。同大の赤坂憲雄教授が主唱する「東北学」の分野別テキストとして読むことができる。
「舞台評論」は04年創刊。1号で寺山修司、2号で土方巽、3号で「東北からの大衆芸能」を特集した。森教授は「東北は舞台芸術が盛んな土地柄。演劇や映画や若手のお笑いを含めて東北の風土的に根ざした特質的な芸能を通じて、東北の近代について紹介したい」と話す。
3号には中沢新一、吉田司など22人がそれぞれの観点から「東北芸能論」を発表している。「あゝ上野駅」の歌手井沢八郎や、松田優作を世に送り出した山形県出身監督の村川透など、わが国芸能界の第一線にあった人を書き手、聞き手に地域の大衆文化を多角的に論じている。
斎藤氏は啄木、胡堂、賢治と、その親友の藤原嘉藤治や太田クワルテットなどの関係をキーに、大正から昭和にかけての本県の音楽文化を分析した。「四国四県に匹敵する広大な岩手県の中心部のごく狭い範囲の中に、これだけの先駆者が集中したのはいったいどんな力の作用だろうか」などと論じ、音の文化を通じて先人の遺産を再発見している。
同大助教授の菊地和博氏は「百鹿大群舞と供養の鹿踊り」と題して論文を著した。「江刺区にある鹿踊りは俗に八ツ鹿踊りともいわれる。八頭の鹿が一組となって踊る獅子芸能の一種である。八ツ鹿踊りは花巻市以南(例外として盛岡に山岸鹿踊りあり)から宮城県北部に集中してみられる。現在は岩手県内に37団体、宮城県内に10団体存在する。それらはかつて伊達氏が支配する仙台藩領域にあったことが認められる」と、地元にも分かりやすく解説している。
巻頭では森教授と吉本隆明氏(米沢工業高校出身)との対談を収録した。対談の中で森教授は、「村人が宴を張って酒を飲んだり一緒に歌う光景がめっきり見られなくなりました。地域の中で人々が歌を歌う機会が急速に失われているように感じています。その一方、車を走らせて近隣の町へ行ってみると、カラオケボックスには歌を楽しむ人があふれている。歌う場所が村の中から町場へと移り、それにつれて歌う仲間も地域共同体の人間関係ではなく、限定された個人へと変化していると気づきました」と芸能にまつわる地域の変化を分析している。
定価2100円。同書に関する問い合わせは山形市上桜田200(電話023−627−2168)まで。
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