2006年 8月4日 (金)
■ ネパールの子供と女性 吉田律子さんが講演
「大切なのは子供たちが将来生きていく力」と話す吉田律子さん(背景はネパールの子供たちが描いた絵)
盛岡市の桜城地区福祉推進会の女性のための研修講座が7月31日、同市大通の桜城老人福祉センターで開かれ、2002年からネパールを訪問している吉田律子さん(盛岡市・本誓寺僧侶)が講演した。「ネパールの女性と子ども」の演題で講演し、貧困の中で満足に教育を受けられない子供たちの現状や3世代・4世代が同居する家族のきずなを述べた。
吉田さんは、ネパールの子供は3歳や5歳になると家事労働、5・6歳になると子守りや水くみなど労働が課せられ、その多くが学校にも通えないという現状を語った。
「そんな貧しい中でなぜ7人も8人も子供を産むのか。半分が病気などで亡くなっても生命力がある半分が残れば家のことを手伝ってくれる」と吉田さん。
「それだけに母親の子供への愛情は深く、家族のきずなも強い。親孝行であるからこそ、幼い女の子が(人身売買に)進んで買われていくという生活の矛盾もある」と、悲しい現実を語った。
日本では当たり前に身の周りにあるボールペン、クレヨンもネパールでは貴重品。使い古しの鉛筆やクレヨン、盛岡市の児童の作品を持って現地の孤児院を訪ねた吉田さんは、趣味の絵を生かして絵画教室を開いた。
子供たちに「自由に描いていいよ」と声をかけても意味が分からず、貴重な紙に落書きすることに抵抗を感じていたという。しかし出来上がった作品を褒めると、子供たちの表情は輝き始めた。
「貧困で家庭が崩壊し、親に捨てられた子供も多い。自分自身を認められるという経験の積み重ねが子供たちに必要」と、実感を込める。
「お金も大事だが、援助はお金だけではない」と説く吉田さん。「数個のあめ玉をあげたために、子供たちが死ぬほど奪い合う光景も目にしてきた。お金や物をあげるという行為はとても難しい。大切なのは、その子たちが将来生きていく力を授けること。生活に根差した技術をプレゼントすることではないか」と話した。
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