■ カーネギーリサイタルは大成功 NY滞在の二十絃箏奏者黒澤有美さんに聞く
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演奏する黒澤有美さん
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盛岡市出身の箏奏者、黒澤有美さんは4月、ニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開いた。二十絃を抱えて、単身で渡米して4年。実現した夢の舞台は、満席の大成功を収めた。日本での演奏会出演のために約1カ月間、帰国していた黒澤さんに話を聞いた。
黒澤さんがニューヨークへ渡ったのは2002年2月。以来、さまざまな音楽やダンスとのコラボレーション、映画音楽への参加など多彩な活動を積み重ねてきた。
リサイタルの話が持ち上がったのはおととしの12月。ニューヨーク岩手県人会で、菅原研さんと小野山弘子さん夫妻と出会った。黒澤さんが箏奏者と知ると、2人が「カーネギーホールでリサイタルを」と熱心に勧めてくれたという。
歴史がある同ホールは、黒澤さんにとってもあこがれの場所。最初は「ちょっと無理かな」と思った。だが、夫妻が先頭に立って、会場の確保などさまざまな手配を進めてくれた。小野山さんの紹介で、当日のMCはニューヨーク・シティ・オペラ正指揮者の山田敦さんが引き受けてくれることになった。
一番時間がかかったのは選曲。「箏は米国では珍しい楽器。プログラムを一通り聴いてもらうと、箏ってこういうものだとわかるようにした」と黒澤さん。「二十絃という楽器の可能性を、訪れた人に感じてもらいたい」と、古典から現代曲まで、独奏から洋楽器とのアンサンブルまでと、幅広く曲を選んだ。
270席のチケットは2週間前にほぼ完売。当日、満員の客席の前に立ったとき、ニューヨークに一人で降り立ったときから現在までの日々が思い出された。4年間に学んできたことなど、さまざまな思い出が胸に迫り「カーネギーのリサイタルホールに立つことができた」と感動した。
実際に演奏してみると、ホールの響きのよさに驚いた。客席までの距離が近いため、反応が直に伝わってくるのも新鮮だった。
昨年の夏、古里盛岡で開いた初めてのリサイタルから今回までは、自分にとって、一つの節目と感じている。大きな決意で日本を飛び出して以来、走り続けてきた黒澤さん。リサイタルでは「わたしなりにこういうことをやってきた」ということを伝えたかった。
単身渡米したときの目的は、音楽的な方向性を見出すこと。それは「その時期によって変わっていくもので、一生かかっても確定できるものではない」と思いながらも、大きな舞台を終えた今「自分のやりたいことが見えてきた」と手応え。これまでの幅広い活動の中から「自分でいらないものをそぎ落としていく作業」に入っていこうとしている。
7月5日に帰国し、東京と盛岡、山形の3カ所で演奏を行った。「ニューヨークでも日本でも、いろいろな人との触れ合いの中から新たなものが生まれると思う。自分を支えてくれているたくさんの人たちへの感謝の気持ちでいっぱい」と黒澤さん。
「これからずっとニューヨークに住むわけではないが、まだ向こうでやるべきことがある。今後もジャンルに垣根を持たずに、ずっと面白いものに挑戦していきたい」と話していた。
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