前回の「これは彼が住んでいる家です」の英語はThis is the house he lives in. で、「これは彼が に住んでいる家です」と思っている証拠だと言いました。
「住む」と「家」とは「〜の中に」という関係でつながっていることを言葉に出さなければいけない言語だと言うことになります。
ですから、He lives in this house. はもちろん This is the house he lives in .も、This is the house which he lives in . も、This is the house in which he lives.も、in(〜の中に)はついてまわります。
(inの意味に含んでいるwhereは別)
日本語ではなぜ、「これは彼が住んでいる家です」のときは「〜に」がなくなるのでしょう。その理由を考える前に、似たような例をみましょう。
1.熊がこの穴から出てきた.
2.これは熊が出てきた穴です。
1では熊が出て来た場所が「〜から」(英語ならfrom)と明示してあります。もし、「〜から」がなくて、「熊が穴 出て来た」は非文法的ということになります。
ところが、2では「熊が」と「出て来た」の間には「〜から」がありません。わたしたち日本人には、「これは熊が出て来た穴です」といえば、「〜から」がなくても、「穴から」だなと分かります。
英語では、こんな場合も「〜から」はつけなければなりません。ですから、This is the hole the bear came from.のようにfromが入っていますね。これはを直訳すると「これは熊が から出て来た穴です」と言っていることになります。
This is the hole which the bear came from. も、This is the hole from which the bear came .も、すべてfrom(〜から)はついてまわります。ですから、「〜から」のない2の文を英語で言うとき、ついThis is the hole the bear came .としてしまうのです。
大学2年生173名を対象として、わたしが行った調査結果では正解率16%でした。わたしたちはやはり日本人なのです。(言語人文学会顧問)
|