海辺の町での、できごと。「ぼく」は、家のすぐ裏の砂浜で、それをひろった。
波が運んできたのは、青いビー玉。「なあ、海さん、これ、くれるんか?」の問いかけに、海は、ざぱん、と応えて、ビー玉は「ぼく」の手に。ところが、コップに移して振ったとたん、ぱちん、と割れたビー玉からは…?
思いがけず掌中にしたちいさな「海」が、やがてそのかさを増してゆくさまは、「ぼく」ならずとも少し
不気味にさえ映ります。でも、人知れず捨ててしまおうかと逡巡(しゅんじゅん)する「ぼく」に対して父親のなげかけた言葉には、ずしんと響くものがあったのでした。
全編が関西ことばという展開は、安手の「お笑い」でしかそれを知らない場合、ちょっとキツイ、でしょうか? いいえ、イントネーションが正確かどうかは別にして、思い切って声に出してみると、メリハリもつけやすく、案外イケルみたいです。小さいことは気にせずに、海のようなおおらかな気分でかかるのが、正解。若い作者とベテラン画家との組み合わせも功を奏して、スケールの大きな、それでいて優しげな作品です。
【今週の絵本】『海のおっちゃんになったぼく』なみかわ みさき/文、黒井 健/絵、クレヨンハウス/刊、1365円(税込み)4歳〜(2006年)
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