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バザーの準備をしながら今後の活動を話し合う堀間代表(左)らイーハトーヴの会員 |
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交通事故や脳卒中・脳こうそくなどで脳を損傷し、精密な情報処理がうまくいかなくなる高次脳機能障害の当事者・家族で結成された「いわて脳外傷友の会・イーハトーヴ」(堀間幸子代表)は、今秋からの相談事業や本格的な就労支援を目指して準備を進めている。6月には盛岡市羽場に事務所を開設。当事者と家族の情報交換・発信の場ができた。堀間代表は「高次脳機能障害は見た目には分からないことも多く“見えない障害”ともいわれる。生活や就労のためにも多くの人に理解してもらえるよう働きかけていきたい」と話す。11月には脳外傷友の会第6回全国大会(inおかやま)にも本県代表で参加する。
イーハトーヴ事務所は、元資材置き場の建物を借りて開設。作業所を兼ねており、将来的に食品加工などもできるよう厨房を広く設けた。毎週木曜日が活動日で、取材の日は5家族ほどが集まり、バザーに出品する商品を準備したり焼き菓子を試食して交流した。
製菓活動の中心になっている女性は「以前からお菓子作りが好きだったが、息子が突然障害を負って2年ほどは何もする気が起きなかった。この会に入ってまた作ってみようという気持ちになった」と表情を和ませる。
当事者である24歳の長男と活動している副代表の立花ミキ子さん(58)=滝沢村巣子=は「当事者や家族が障害に気づかなかったり、認めたくなかったり。病院に行っても〓治っている〓といわれて障害者手帳が受けられず、施設などのサービスが利用できない場合もある」と話す。「周囲に理解が得られないことで結果的に自宅にこもりがちになる当事者・家族も少なくない。分かり合える仲間との情報交換は大切」という。
高次脳機能障害の症状は一人ひとり異なり、認知や記憶、言語などに障害が出ることもある。例えば体の片側に意識がいかないため、人にぶつかったり接触することで「セクハラ」と誤解されることも。それまでできた仕事をこなせなくても身体的に障害があるように見えないため「さぼっている」と思われることもある。
交通事故などから10年ほど経て障害が出てくる場合もあり、これまでは診断できる医師や医療機関も少なかったという。
いわて脳外傷友の会・イーハトーヴは2004年11月、17家族30人で設立された。「友の会」組織は全国に増えつつあるが、東北では本県が初。現在は27家族まで増えたが、県内の医療機関などを対象にした調査によると高次脳機能障害の患者は1年間で60人以上発生していると推測されるという。
イーハトーヴに通う吉田卓矢さん(40)=盛岡市本町通=は商品配達のドライバーの仕事をしていたが、脳内出血で入院して2年前に退院。再就職するうえで体力的に問題ないが、人の声が聞き取りにくいことがネックになっているという。
「電話応対が困難なので資料や荷物整理の仕事を探しているがなかなか決まらない。今は多くの人に支えられているので、ここをステップに早く仕事に就きたい」と前向きだ。
障害者自立支援法の10月施行を前に、特定非営利活動(NPO)法人の申請を出し、今月までに認証される予定。10月以降は事務所の開設日を増やしたり、相談事業や周囲の環境を生かして園芸事業を取り入れるなど新たな展開も考えている。
堀間代表は「退院したがどうも気になるところがある。でもどこに相談していいか分からない、診断書ももらえないという人たちが取り残されてはいけない。バザーなどで販売を経験することはリハビリにもなるので、当事者の社会参加につなげたい」と話していた。
イーハトーヴの設立にもかかわった県社会福祉協議会事務局の菊地賢次次長は「その人の障害を知ってもらうために“高次脳機能障害”の言葉を出せるようになったのは、同会の大きな成果。活動が軌道に乗れば、沿岸地域などに新たに拠点を作ることも可能になってくる」と期待している。
11月3、4の両日に倉敷市で開かれる脳外傷友の会全国大会(NPO法人おかやま脳外傷友の会・モモ、同日本脳外傷友の会主催)では、当時者家族等交流会に参加。当事者の立花実さん(24)の宮沢賢治「雨ニモマケズ」朗読などを実現させようと準備している。
イーハトーヴでは、活動を支援してくれる賛助会員も募っている(個人1口2千円)。問い合わせは、いわて脳外傷友の会・イーハトーヴ(電話639−4177、ファクス639−4178)まで。
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