2006年 9月3日 (日) 

       

■  岩手に新しい産業起こそう シンクタンクTRIが記念講演会

     
   大星公二東北地域経済開発研究所会長、鎌田信夫ソリトンシステムズ社長、松田久一JMR生活総合研究所社長、重石桂司メルク社長(左から)  
   大星公二東北地域経済開発研究所会長、鎌田信夫ソリトンシステムズ社長、松田久一JMR生活総合研究所社長、重石桂司メルク社長(左から)  

 実践型の民間シンクタンクを目指す東北地域経済開発研究所(TRI、萩原良樹社長、本社・盛岡市中央通)の記念講演会・祝賀会が8月31日、盛岡市盛岡駅前北通のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれた。NTTドコモ相談役の大星公二同研究所会長、ブロードバンド関連事業の鎌田信夫ソリトンシステムズ社長、マーケティング専門会社の松田久一JMR生活総合研究所社長、重石桂司メルク社長の4氏が、それぞれ地域活性化へ提言した。

 大星会長は岩手から改革を掲げた。最近の景気情勢に対して「景気は本当に良くなったのか。政府や日銀はマクロでは良くなったというが市民生活と景気の間にかいり現象が見られる」と言う。

  企業経営の黒字はリストラや非正社員比率増などが要因の一つと指摘。「企業は良くなったが、勤労者の所得がそう増えていない」「中小企業は依然厳しい。中小が良くならないと日本全体が良くならない。個々の企業に入り協力したい」と言う。

  「岩手県には素晴らしい資源がある。しかし自然も人もまだまだ活用されていない。わたしは北海道の学生にも中心市街地のシャッターをどう開けるかを実践指導している。ペーパー上では駄目。わたしも岩手の活性化のため全面協力する」と力を込めた。

  インテル社顧問の経験を持つ鎌田社長は最近の情報通信インフラの状況に関して「インターネットはつなぎ放しで使い放題。世界中で誰もが情報発信する手段を手に入れた。情報ははんらんし雑多な情報が急増。サイトの情報誌も既に出ているのかも。情報通信デバイスの進歩で忙しくなり過労気味の面も」と述べた。

  「近所に引っ越してきた人がどんな人かネットで検索する時代。匿名性は消滅し地球上の人間すべてに背番号が付くような時代になる。携帯がネット、カメラ、テレビなどや財布の機能も兼ねる。キャッシュは使われない時代。ネットは地球上の生き物の神経系と同じ」と今の時代を分析してみせた。

  鎌田社長は「デジタル時代の経営は制御用LSIが発売されたらハード面では競争に勝てない。次のすりあわせを探す。顧客に特化したソフトに逃げるか」と厳しい経営環境も指摘。

  「インターネット放送があり日本サイバー大学がスタートする。当研究所でもコンテンツを収集し番組を。舞台は世界であり全然遠慮は無用。大学にビジネスに詳しい先生を招くことも」と提言した。

  松田社長は、岩手は他地域と比べ就業者数が減少し低賃金にあると課題を指摘。今後の地域経営のために産業振興が急務という。就業者が増加し高い賃金の地域の特徴は集積力。

  「伸びている企業や地域には産業の集積がある。その有無が経済格差、地域格差の原因。集積力をつけるために主役は民間だが行政の後押しも必要。特定分野に予算と人を集中させる。官民一体の連携を」と述べた。

  重石社長はマクドナルドに代表されるアメリカ型の食の合理的な生産方式と地産地消に根差したイタリアのスローフード方式を対比。「日本は過去50年、アメリカ型に傾斜してきた。アメリカでは病人が増加し医療費が急増し社会問題」と指摘した。

  「食は生体を構成する分子。体が自然界の一部。何千年の歴史の中で地域の食材を分子として取り入れてきた。これが地産地消」と持論を展開。「岩手は安全、安心な食材の宝庫。岩手を基盤に外食産業を育成し首都圏に流通させることで地域活性化になる」と述べた。

  「残念ながら日本に本格的なフードビジネスの大学がない。昨年、宮城県立大学に食産業学科が創設されたが。ぜひ県立大学に食の学科を」と提言した。


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