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中野英明住職ともも子
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紫波町高水寺の蟠龍寺の中野英明住職は散歩時間を利用して河川敷のごみ拾いを続けているが、中野住職と一緒にごみを拾うのは犬のもも子(13)。人間の心ないごみのポイ捨てに対し、言葉は話せないが川に飛び込んで拾う姿は誰もが心を打たれ、町にポイ捨て禁止条例が制定されるきっかけになった。中野住職はもも子とのさまざまなエピソードを書き上げた。その作品をハート出版(東京都豊島区池袋)の「わんマン賞」に応募したところ大賞を受賞。ドキュメンタル童話「ごみを拾う犬もも子」のタイトルで同社から出版になった。
もも子はゴールデンレトリバー。生後3カ月のとき同寺に迎えられた。子犬のころから住職の散歩のお供が日課。生後10カ月目の時だった。住職がいつものようにごみを拾いをしている際、足を滑らせ川に落ちた。驚いたもも子は川に飛び込み、住職の安全を確認すると身をひるがえし、住職が拾おうとしたビニール袋まで泳いでゆき口にくわえて住職に渡した。以来、もも子のごみ拾いが始まった。
黒いビニール袋が川に流れているのを目撃した。しかしもも子はなかなかくわえようとしない。ようやく持ってきた袋を開いてみると数匹の子犬の死体が入っていた。人間の心ない行為に、もも子は無言で住職に怒りを訴えた。
ごみ拾いの際、割れたガラス瓶で足を切った。その半年後に再び足を切った話もある。橋の上から子猫を川に投げ落とし石を投げて遊ぶ少年を目撃したこともあった。お寺で、さい銭泥棒を逃がしてしまった話、住職の読経中、後に同じように座り仏様を拝み、参列者を笑わせたことなどのエピソードも紹介している。
10年以上ごみ拾いを続けているもも子は加齢とともに次第に体力が低下していったが、岩手県の環境ポスターのモデルに昨年採用され、ごみのポイ捨て禁止や減量への啓発をしている。
中野住職は「昨年くらいから病気で入退院を繰り返し、体力の低下も目立ってきた。それでもけなげにごみを拾ってくる。それを見てもも子との思い出を形あるものにしたいと、もも子への感謝の気持ちを込めて筆を執った。この本を通して命の尊さ、環境を守ることの大切さを訴えていきたい」と話す。
「ごみを拾う犬もも子」は142ページの本で1200円(消費税別)。全国の書店で販売中。
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