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あをあをと
朝日のぼれば
ひとびとの
かなしきまでにうちいさむかな
〔現代語訳〕青々と朝日が昇ったので、人々は、かなしいほどに勇んだのです。
〔評釈〕「大正五年十月より」〔「歌稿〔B〕」〕六十三首中の五十一首目の「414歌」。「歌稿〔A〕」では、「ギラゞの朝日いづればわがこゝろかなしきまでに踊りたつかな」であった。抽出歌も、当初結句は「踊り立つかな。」であった。また、右下には、「燦きて/朝日は青し」の書き込みもあり、抹消されている。「歌稿〔A〕」と「歌稿〔B〕」との相違の主たる点は二つある。一つは「ギラ〓〓の朝日いづれば」が「あをあをと/朝日のぼれば」とされたことであり、もう一つは、「わがこゝろ」が「ひとびとの」とされたことである。後者の変更がより重大である。「朝日」に「踊り立つ」心を「かなしき」とした〈原体験の一般化〉が、賢治短歌の一つの傾向を示すと見るからである。
(岩手大学教授)
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