2006年 9月7日 (木) 

       

■ 絵に興味持つ少年 少年院で美術指導の田中舘さんが大臣表彰

     
  法務大臣表彰を受けた田中舘隆雄さん  
 
法務大臣表彰を受けた田中舘隆雄さん
 

 盛岡市月が丘の盛岡少年院(大河内徹院長)で美術を指導している同市の田中舘隆雄さん(70)がこのほど、法務大臣表彰を受けた。1996年以来、同少年院に週に2回通って、非常勤講師として美術の教科と、美術クラブの指導を続けてきた活動に対して、感謝状が贈られた。

  田中舘さんは県内の小中学校に勤務し、96年に定年退職。すぐに盛岡少年院での活動を始めた。

  「少年たちはこれまで、褒められたことがあまりないのでは」と田中舘さん。「あなたの描いている、この部分がすごい。とても気に入った」と褒めると、子供たちから「本当ですか」という言葉が返ってくるという。

  「本当だよ。この部分をどんどん伸ばしていくともっとよくなる」という言葉に、子供たちが真剣になっていくのが分かる。「自分でも何かを表現できるんだ」という自信につながっていくような気がする。

  これまで表現活動に真剣に取り組んでこなかった子供たちが多い。「おそらく感動するという機会に恵まれてこなかったのでは」と思う。

  教科書に掲載されている名画を見せても、ただ「あ、絵か」という感じだった子供たちに色や形、みんなが評価する点はどこかなど見方を丁寧に指導する。

  絵画の印象は見る人の価値観によって違う。だが、まだ自分の価値観が定着していない子供たちにとっては、見方を知ることが絵画を受け止められるようになる第一歩。だんだん分かってきて、絵に興味を持ってくる子供たちの変化が自分にとっても面白い。

  美術の時間を心待ちにしている子供たち。「よし、やろう」という気持ちがひしひしと伝わってくるのがうれしい。

  少年院での活動は「お役ご免となるまで続けていきたい」という。職員とは違う、自分たちのような一般の人と接すること、多様な人間性に触れることも、子供たちにとって大事なことではないかと思う。「自分にとっても勉強になる。今後も真剣に子供たちの更生に取り組んでいきたい」と話していた。


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