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石川章さん |
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滝沢村のピアノ修復工房石川ピアノライン代表の石川章さん(46)がこのほど、内閣府迎賓館所蔵で、1908(明治41)年に宮内庁が購入した名器、エラール社製のグランドピアノ(1905年製)の修復を担当した。優美なクリーム色を基調に、全体的に絵や彫刻の華麗な装飾が施されたピアノは、石川さんの手で再び美しい姿を取り戻した。ピアノは来年3月まで、東京都の昭和天皇記念館で開かれている特別展示「昭和の皇后『良(なが)子さま』〜お絵とピアノ〜」に出展され、訪れる人の目を楽しませている。
エラール社はフランスで18世紀に設立。1821年には素早い連打を可能にした「ダブル・エスケーブメント」という機構を完成させたが、1959年にガヴォー社と合併した。
石川さんは同記念館からの打診を受けて、修復の担当候補として8月に上京。「エラールはフランス人にとっては神様のような存在。そのピアノを日本人がきれいに直して再生させることは、フランス人との交流を深めるきっかけになるのでは」と主張。
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ピアノにはペダルの部分にまで華麗な装飾が施されている |
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ほこりを払うだけでなく、一歩踏み込んだ修復の必要性を「南部の男の頑固さと熱意」を込めて説明し、担当が決まった。
修復に許された期間は9月7日からの4日間だけ。12日の同展開幕を控えて、ぎりぎりの日程だった。すでに展示室に移されていたピアノの下にビニールシートを敷いて、息子と2人で作業。朝9時半から午後5時ぐらいまでという限られた時間帯の中で、一心にピアノに向かった。
今回は音に携わる部分ではなく、外観の修復に専念。傷の付いたところは胡粉(ごふん)で凹凸を埋め、さびを落とし、変色した部分は独自に調合した染め材で修復。金粉は数種類を使って、各部分に対応した。
今回の修復は「自分にとって勝負だった」と石川さん。「自分の技術が本物かどうか、どこまで通用するかを試したかった」と言う。
「一生に一度、手を掛けられるかどうかの名器」の修復は成功。大きな仕事を終えた今、「地方に住んでいても、世界的な仕事を視野に入れて、将来を夢見ながら進んでいくと、文化を世界に発信できる」と確信している。
同展は来年3月11日まで。東京都立川市の国営昭和記念公園・花みどり文化センター内。
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