2006年 10月 1日 (日) 

       

■ 啄木が弾いたバイオリンを演奏 青春館でコンサート

     
  「啄木と明治の盛岡展」の展示を背景に演奏する馬場雅美さん  
  「啄木と明治の盛岡展」の展示を背景に演奏する馬場雅美さん  

 啄木の「美しき思ひ出」コンサート(啄木・賢治生誕記念事業実行委員会などが主催)が9月30日、盛岡市中ノ橋通1丁目のもりおか啄木・賢治青春館2階展示ホール「啄木と明治の盛岡展」の会場で開かれた。使われた楽器は、渋民尋常高等小学校の代用教員時代に、啄木が弾いたといわれるバイオリンとリードオルガン(どちらも石川啄木記念館所蔵)。会場を訪れた約50人の聴衆は、約100年前の楽器が奏でる音楽を通して、啄木の時代へと思いをはせた。

  1907年(明治40年)3月20日に行われた渋民尋常高等小学校の卒業生送別会で、啄木がバイオリンを、同僚の堀田秀子がオルガンを弾き、教え子たちが歌ったという。その情景を、啄木は後に日記などで「美しき思ひ出」と回想している。

  リードオルガンは1902年製。鍵盤の数が49鍵しかない小さなものだが、木彫が施された優美な姿。その音色は今回10年ぶりの披露となる。

  啄木の地元、玉山区渋民に生まれ、現在も住んでいるという中学校教諭、石川恵美さんが演奏を担当。足踏み式のリードオルガンを演奏するのは今回が初めてで苦労したが「啄木のオルガンを演奏できて感動した。自分も気持ちよく、ゆったりとした気持ちで弾けた」と感想。

  バイオリンは約2週間前、市内で弦楽器工房を主宰する松本伸さんが修復を担当。胴の後方の表板、裏板、横板がすべてはがれていたという楽器を、にかわで丁寧に修復。完成した楽器で実際に音を出してみると、その音色と響きの美しさに聴きほれた。

  演奏は矢巾町在住で元東京フィルハーモニー交響楽団バイオリン奏者の馬場雅美さん。啄木が作詞した「初恋」(越谷達之助作曲)など8曲を披露した。「100年以上前の古い楽器なのに、音が出たことに驚いた。啄木が弾いたという楽器を演奏できて感激だった」と話していた。

  啄木が「渋民尋常高等小学校生徒の為に。丙午(1906年)7月1日に作歌」と記した「校友歌」(楠正一作曲)は、オルガンとバイオリンでそれぞれ演奏された。

  会場には妻の節子が愛用したと思われる琴も展示されている。

  同コンサートは7日と14日の午後2時から30分間、同会場で開催。参加料は無料だが「啄木と明治の盛岡展」の入場料は300円。


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