2006年 10月 1日 (日) 

       

■ 大宮政郎「人動説アートの世界」開催 石神の丘美術館で

     
  「ピンクの伏流域」(2006年、顔料、リキテックス、合板)  
 
「ピンクの伏流域」(2006年、顔料、リキテックス、合板)
 

 水沢出身で現在は盛岡在住の美術家、大宮政郎さんの「人動説アートの世界」が、岩手町立石神の丘美術館で開かれている。大宮さんが1970年代から取り組んできた「人動説」シリーズに焦点を当て、今年の新作まで108点を展示。大宮さんは16日、同館芸術監督の六岡康光さんとの対談の中で、同シリーズや美術に対する思いを語った。

  「人動説」とは「人が動きながら、または、移動しながら自らスピードをもって物を見、考えたなら芸術はどの様に変わるか…」という視点から取り組んでいる独自の思想。

  その着想の基になったのは1968年の体験。ロシアに向けて搭乗した飛行機の窓から、5時間ぐらい続く夕焼けを見て感動したことがきっかけという。

  冬の光が斜めから当たるヨーロッパの建物を見て「手が切れるような立体。立体とはこういうものか」と実感。それを夕焼けと組み合わせて「夕焼けは立体である」という文章を思い浮かべたという。

  「人動説シリーズ」で現在取り組んでいるのは、平面に板状の立体を立てた作品群。正面からは1本の線にしか見えないが、横から見ると人間の姿になる。

  大宮さんはこれを「風景画」と位置付ける。一般的な風景画の点景人物はいつも同じ場所にいるが、人動説では人は動くもの。「その場所に人がいたり、いなかったりするのが現代の風景画」と説明した。

  「絵は最終的に品格のようなものが一番だと思う」と大宮さん。「ダビンチにしてもラファエロにしても、その時代のアバンギャルドであり、一番新しい仕事をした人。現代という時代を踏まえたものでないと生き残れないが、品格も備えていなければ。それは新しいことを削ってもやらなければいけないときもあるので難しい問題だ」と話していた。

  10月22日まで。午前9時から午後5時(入館は同4時半)。入館料は一般300円、高校、大学生200円、中学生以下は無料。


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