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こと座やわし座、はくちょう座など夏の星座たちが少しずつ西空へと退場し、入れ替わって東の空から天頂付近にかけては古代エチオピア王家にまつわる秋の星座が大勢を占める季節となりました。
このところ急速に朝晩の冷え込みも厳しくなってきましたがそれもそのはず、夜半を過ぎて午前2時3時ころ、星を見上げればオリオン座やおおいぬ座のシリウスなど、冬の星座の星々が大気を振るわせるようにしてまたたいているではありませんか。
今冬の大雪の記憶が消えるか消えないうちにもう冬支度とはあまりに過酷です。時の流れの慌ただしさに巻き込まれないように、ここはじっくりと、過ぎゆく夏の星たちの生き生きとした輝きと本格的に登場してくる秋の星座のロマンの双方を鑑賞したいものです。
というわけで、9月も最後の日曜の夜、雫石のあるコテージ村の芝生広場に30人もの人々が集い、満天の星空を心ゆくまで堪能したのでした。
北東の空は盛岡の光が空を白っぽくさせてはいますが、大気の清澄度が良いために頭上を大きく流れる天の川とその中に入り乱れる暗黒帯の輪郭が誰の目にもくっきりと見えています。
沈みゆくいて座のあちこちにある明るい星雲の数々。ヘルクレス座やみずがめ座の数万光年彼方に浮かぶ球状星団。空の宝石箱と言われるペルセウス座の二重星団。はるばる230万光年の旅をしてきたアンドロメダ銀河の光芒(ぼう)。はくちょう座やいるか座、アンドロメダ座の愛らしい二重星たち。ケフェウス座のガーネットスターはあやしいまでに赤い色をした星です。
はくちょう座の61番星は人類史上初めて距離が測定された星。5等星ながらその輝きは誇らしく見えます。こぎつね座の超新星残がい、あれい状星雲。みずがめ座を静かに運行する天王星とやぎ座の一角にたたずむ海王星のエメラルドグリーンとブルーの神秘の光。そのほか枚挙にいとまがありません。
あたりは静寂と闇に包まれています。そんな中でこうして本当の天体の姿に接していると、ある思いが心に広がってきます。私たちはたとえ死んでも、あまたの星と同じようにこのはるかな宇宙と悠久の時の流れの一員なのだということ。そして生きていることの意味の一つはそれを感じることにあるのだということを。
(盛岡天文同好会会員)
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