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任期満了に伴う雫石町長選は17日の告示まで1週間と迫った。これまでに出馬を表明しているのは、いずれも無所属で、現職の中屋敷十氏(55)、新人で元雫石スキー場支配人の深谷政光氏(62)の2人。現職に新人が挑む一騎打ちの構図が確実な情勢となっている。両陣営とも近く総決起大会を開き前哨戦の総仕上げを図る。マニフェストを掲げ、町総合計画の確実な実行を約束する中屋敷氏。これに対し深谷氏は民間感覚を生かした新しい町政運営を訴える。本格的な政策論争を期待する声もあり町民の選択が注目される。
中屋敷氏は町長就任後、初めての選挙戦。挑戦者の立場から現職としての評価が問われる立場に変わった。町議会3月定例会で出馬表明後、9月3日に事務所開き。告示までに26カ所で地区懇談会を開く。現職の強みを生かして具体的な政策を提示、1期目でまいた種を2期目で実らせることを強く訴えている。
支持町議13人がそれぞれの地盤をこまめに回っているほか、女性部の動きも活発。地元選出の民主党県議大宮惇幸氏も「町政と県政のパイプ役として共にまちづくりを進めてきた。少なくとも2期は現職が町政を継続したほうがいい」と話し、支持する考えを明らかにした。総決起大会を10日に開き必勝態勢で臨む。
深谷氏は雫石スキー場支配人、男鹿水族館社長など民間での豊富な経験をアピールし現職に挑む。8月に起意を明らかにし、同25日には事務所開き。知名度不足をばん回すべく町内5500世帯のあいさつ回りを終えた。告示までに約40カ所でミニ集会をこなし熱意を訴える。
町の観光協会やスキー連盟に長く携わった経緯もあり、旧知の友人らが草の根的な運動を展開。元自由党県議で町長を2期務めた川口民一氏を中心に民主党国会議員の支持者や関係者の一部が活発に動いている。選対に正式に名前を連ねる町議は2人だが「相手陣営に加わっていない町議はこちらを応援してくれるはず」と陣営は強気。13日の総決起大会で一層の盛り上げを図る構え。
主張に隔たり見られず
前回の町長選は、前町議、前県議、元町長の保守系無所属4人が争う激しい選挙戦が繰り広げられた。今回は現職に、議員や行政職の経験がない民間の新人が挑む。近年の同町長選にはなかった構図で、町民の間では「町政のあり方を検証する上でも選挙戦になったことは歓迎する」「地縁血縁など従来のしがらみにとらわれない正面からの政策論争を期待したい」といった声が目立つ。
中屋敷氏は20の施策を盛り込んだマニフェストを掲げ、環境基本条例の制定、(仮称)健康センターの整備など05年度に見直し策定した町総合計画の確実な推進を強調している。深谷氏は「町長室廃止」といった公約で民間感覚をアピール、厳しさが増す町財政の実態と町民のニーズを外部からの視点も含めて詳細に分析し、まちづくりを進めたいとしている。基幹産業である農業や観光の振興、少子高齢化が進む中での医療福祉の充実など町が抱える根本的な課題認識については両陣営とも主張に大きな隔たりはない。どれだけ説得力のある施策や実現手段を示せるかがカギを握る。
両陣営が「無所属」「町民党」を強調する一方で、中屋敷氏の事務所開きには自民党の鈴木俊一衆議院議員、深谷氏の事務所開きには民主党の平野達男参議院議員が出席、政党の出方も関心を集めている。大宮氏と、大宮氏の後援会長を務める川口氏が両陣営に分かれたことで民主支持層も分かれることになる。町長選に続く来年の知事選、県議選、参院選をにらみ、ほかの政党も無関心ではいられない状況で、水面下での駆け引きもありそうだ。
9月2日現在の選挙人名簿登録者数は1万5791人(男7557人、女8234人)。前回投票率は80・61%。
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