2006年 10月 9日 (月) 

       

■  〈校長室の窓から〉107 野口晃男 そっと消すのがいい

 1泊2日の修学旅行も無事に終わりました。

  自分の目で見て、自分の体で体験してきた6年生にとっては、まさに思い出に残る素晴らしい修学旅行だったと思います。

  きょうは月曜日。
  掃除の時間に、校庭のごみを拾いながら回ってみました。
  体育館のところまで来たとき、コンクリートの土台に落書きがあるのを見つけました。
  悪質で陰湿な物ではありませんでしたから、すぐに消すことにしました。
  家庭科室の掃除をしていたお友達が、ぞうきんと水の入ったバケツを持ってきてくれました。チョークで書かれていたので消すのは簡単でした。

  手伝ってくれた5年生の瀬川さんと早川さんに、わたしは言いました。
  「犯人を捜すこともいいけれど、こんなのは、気が付いた人がそっと消しておけば、それで解決です。大騒ぎしないで、そって消しておくのも実はとてもいいことなのですよ」

  2人はにっこりとほほえみました。
  わたしは、そう言ったあと、次のように続けました。
  「落書きをした人は、消されてきれいになったコンクリートを見て、きっと何かを感じてくれるに違いありませんからね。その人の感じる心を信じましょう」

  2人はにっこりとほほえみ今度は小さくうなずきました。
  休みが2日間あったにしては、ごみがずいぶん少ない月曜日でした。
  校庭には、桜の花びらが舞っています。
  事にもよりますが、「誰が犯人かのせんさくにエネルギーを使う」よりも「今、目の前にある嫌な状況を、少しでも良くしたほうが価値がある」ということに、もっと多くの人が気が付けば、世の中はもっと穏やかになるに違いありません。
(盛岡市教育相談員) 


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