2006年 10月 29日 (日) 

       

■ 〈盛岡百景〉87 県営運動公園

     
  県営運動公園内に建つ故舟越保武制作の国体記念像。後方は日本庭園  
  県営運動公園内に建つ故舟越保武制作の国体記念像。後方は日本庭園  
  2巡目の開催が現実のものとなりつつある岩手国体。初めて国体が岩手で開催されたのは1970年のことになる。第25回岩手国体の主会場になったのが、みたけ1丁目の県営運動公園だった。

  国体に向け、運動公園には陸上競技場、ラグビー場とサッカー場、軟式野球場、テニスコートといった施設が整備された。24・3ヘクタールの敷地内には、公園というだけに緑がふんだんで、日本庭園や交通公園、児童公園もあり、スポーツに親しむと同時に憩いの場となっている。

  公園の周囲にはケヤキやイチョウ、ナナカマドなど街路樹が整備されている。それに勝るとも劣らない並木が公園内に植えられている。ケヤキやトチノキといった大木に育つ木が園内の通路に並ぶ。35年以上の歳月を十分に感じさせる並木となった。ユリノキやヒマラヤスギ、アカマツなども場所によって植えられ、市街地に緑の小山を造ったかのよう。

  木立の間にはジョギングやサイクリング、散歩と公園の運動施設を使わない市民の姿も多い。これからまだまだ成長するはずで、このままさらに大きく育った光景を確かめたいものだ。

  日本庭園に足を踏み入れると、大きな池のある設計。1万7000平方メートルの中にはマツやハルニレ、シラカンバ、キササゲ、シロヤナギにシダレヒガン、ハナカイドウ、紅葉の時期が楽しいイロハモミジをはじめカエデ類などが植栽されている。米内川流域などから運んだ景石は850トン。落ち着いた空間をつくり出している。

  庭園の陸上競技場寄りには、岩手国体の開催を語り継ぐ石碑がある。秋季国体は天皇皇后両陛下がご臨席のもと開会式が運動公園で行われた。この折に詠まれた御製、御歌が刻まれ、72年10月に建立された。全国からスポーツマンが集い、県民が盛り上がった開催時を想像させる。

  国体会場を物語るもう一つが、管理事務所そばの噴水の中心に建つ青年像。本県出身の彫刻家、故舟越保武によるブロンズの国体記念像は高さ1・8メートル、台座2・0メートルで、金色に覆われた体躯(く)が伸びやかに青空に向かう。噴水は2分30秒周期で5種の形態があり、陽光が注ぐときは水しぶきと青年像が輝きを競う。

  台座には、誠実、明朗、躍進を記したプレートが張られている。岩手のこれからは、かくありたい。
(井上忠晴記者)

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