2006年 11月 1日 (水) 

       

■  「バイオリンを作りたい」とドイツに留学、職人の道に 伊藤絵衣子さん  

     
  英国でバイオリン製作に励む伊藤絵衣子さん  
 
英国でバイオリン製作に励む伊藤絵衣子さん
 
  バイオリン製作者を目指す伊藤絵衣子さん(28)は、盛岡市出身。仙台の大学に在学中から製作者の元に弟子入りし、2年前に英国のバイオリン製作学校に入学。6月に卒業し、職人の道に一歩、踏み出した。伊藤さんは同じ学校に通っていたドイツ人男性と今年、結婚。将来は2人で工房を開くのが夢だ。

 伊藤さんは6歳ぐらいのころから、バイオリンを習い始めた。中学時代には演奏家になることも考えたが「向いていない」と断念。
  幼いころからものづくりが好きだったことから、仙台の大学では建築学を専攻。だが、家や建物などの大きなものではなく、手の中でできる製作に引かれた。「バイオリンに一生携わりたい」という思いもあり、製作者の道を志望。在学中から仙台市内の製作者の元に弟子入りした。

  「より幅広く勉強しよう」と、師匠が卒業した英国の学校への留学を決意。3年制だが、それまでの修業が認められて1年飛び級が許された。
  1学年は30人程度で、世界各国から職人を目指す人たちが集まってくる。日本人は3学年を通して、自分のほかに一人だけ。年齢層も10代から50代ぐらいまでと幅広かった。

  最初は英語にも、自分の腕にも自信がなかったという伊藤さん。だが共通の目的を持つ仲間たちとはすぐに打ち解け、徐々に自分を出せるようになった。
  現地で感じたのは、ヨーロッパの人々にとって、バイオリンという楽器は生活の中に自然に溶け込んでいるということ。日本では、バイオリンを弾けることに対して「すごい」という反応がある。だが、現地ではもっと身近に音楽を楽しんでいると実感した。

  現在の製作は、名器ストラディバリウスの型を基本にしているが、今後は寸法を変えたり、木の材質にこだわったりと自分なりの工夫を加えていきたいと思う。

  理想は「力強く温かい音」。音量を持ちながらも、温かみのある音を作るのは難しいが、いつか実現させたいと願う。
  今年、同校で知り合ったドイツ人男性と結婚。夫は現在、ドイツの工房で製作と修理の仕事を行っている。伊藤さんは来月の出産を控え、現在は盛岡に帰省中。来年の春にはドイツに渡り、子育てを始める予定だ。

  将来は夫婦で工房を構えるのが夢。今後はその夢に向けて、それぞれ工房に入って経験を積もうと話し合っている。

 



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