2006年 11月 1日 (水) 

       

■  小林京子さんが大臣賞 日本革工芸展で  

     
  小林京子さんの「そろばん教室」(32×114×47センチ)  
 
小林京子さんの「そろばん教室」(32×114×47センチ)
 
  八幡平市の小林京子さんが、第26回日本革工芸展(日本革工芸会主催)で最高賞の経済産業大臣賞を受賞した。作品は9月22日から25日まで、東京芸術劇場展示ギャラリーに展示された。8体の革人形を配した「そろばん教室」(32×114×47センチ)は、約20年前からそろばん教室を開いてきた小林さんが「いつかは作りたい」と思ってきた作品だ。

  4台の木の机が並ぶ細長い教室には、先生一人と生徒7人の人形。少年は先生にしかられて下を向き、少女は「泣くかな」とうかがっている場面を臨場感たっぷりに表現。

  玄関には8人分の靴、げた箱の上には黒電話。そろばんや鉛筆、壁や床板まですべて革で作られている。

  人形の腕や胴の土台は、床革と呼ばれる革の裏側を使用。皮膚の部分には白い羊革を張る。顔の土台だけは紙粘土で作り、黒のアクリル絵の具で目を入れ、化粧品のほお紅で赤いほおに。髪の毛は0・5ミリの幅に切った牛革を1本ずつ張っている。

  現在、地域の中からどんどん数を減らしているそろばん教室。小林さんの教室でも以前は70人ぐらいの生徒を抱えていたが、現在は15人。そろばんの指導をしながら「この雰囲気をつくるなら今かな」と思い立った。

  革人形歴は10数年。東京に定期的に通って、全国的に著名な作家に師事。第1作目の人形は1994年、第19回日本手工芸美術展に出展。初出品で入選を果たした。日本革工芸展では3年前、3位に当たる東京都知事賞を受賞したが、最高賞は今回が初めてだ。

  これまで、一つの作品の中に登場する人形は3体が最高だった。8体を作った今回は、完成まで3、4カ月かかったという。

  「見る側に物語が見えるようなものを作りたい」という小林さん。黒電話の前の少女は、自宅に電話して迎えを頼もうとしているところ。後ろの席では文鎮を忘れてきた少女に、隣の少年が貸そうとしている。何気ない日常の情景の中に表れる、子供たちの細やかな気持ち。「そういうほほ笑ましい感じの人形を作りたい」と思っている。

 



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