2006年 11月 2日 (木) 

       

■  〈校長室の窓から〉111 野口晃男 しかられた1年生   

 校長室には20人くらいの子がいました。将棋をする子、オセロで遊ぶ子、こま回しをする子、トランプを器用に立てて建物をつくる子、皿回しの練習をする子、手品をする子。

  そして、それを楽しそうに見ている子。
  時間が来て、みんなが一斉に教室に帰り始めたとき、1人の女の子が、わたしにそっと教えてくれました。「さっき、小さい子、かわいそうだっけよ」

  わたしには、誰もいじわるしている様子は見えませんでしたし、誰も楽しんでいるように見えました。
  その子が言うには、高学年の子が遊んでいる最中に、低学年の子がその遊び道具に、だまってさわったのだそうです。

  その瞬間、高学年の子が「何さわってる!」としかりつけたということでした。
  それを見ていてかわいそうと感じた女の子に、心が優しいからそう感じたんだねと話したあとで、次のことを話しました。

  低学年の子も、いい勉強をしたんですよ。人が何かに熱中しているときは、ちょっかいを出してはいけないのです。

  遊びに入れてもらうにも、ルールとタイミングがあるのです。

  しかりつけた高学年の子は、意地悪したのではなく、ルールを教えたのです。

  人間が常識を知り、他人のことを思いやるようになるには、優しくされるだけではなく、時には厳しくされることも必要なのです。

  こんな場面がもっとあればいいなと思っています。
(盛岡市教育相談員)


 



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