2006年 11月 4日 (土) 

       

■  〈英語ってどうなってんの?〉165 成田浩 文法の守備範囲

 「ので」など、理由を述べる場合の語はbecauseのほかに、asとsinceがありますが、前回のI walked up the stairs because the elevator was not working.(エレベターが動いていなかったので、わたしは階段を歩いて上った)の文でbecauseをasやsinceにしたら、どういう感じになるのかをネーティヴに尋ねてみました。共通の反応は、まず実際にそれらが使われる場合をいろいろ想定して小声でつぶやくことから始まります。

  この場合、わたしの質問は少し無理なのです。なぜなら、同じ「…ので」といってもbecause, as, sinceはそれぞれ、使われる場面や状況などによって微妙に違うのですから、例文をそれぞれ別にすべきなのです。しかし、ここでは、専門書にある詳細な説明とネーティヴの生の反応とを比べてみるのが目的ですから、他の語句を一定にしてasとsinceに注目してもらうという方法をとりました。(ここでは、アクセントや抑揚には触れていません。) 
  1.I walked up the stairs as the elevator was not working.

 2.I walked up the stairs since the elevator was not working.

 3.As the elevator was not
  working, I walked up the stairs.

 4.Since the elevator was not
  working, I walked up the stairs.

 まず、1は、becauseほど一般的ではないにしても口語体。2は少し形式的。3は理由が表に出た感じ。4は理由が強く出ていて、会話で言うにしても改まった感じ、とのことです。

  これは彼らの言語感覚からくる印象ともいうべきものです。ところが、アメリカ英語では4が会話的に好んで使われているなどということもあり、一筋縄ではいきません。

  言葉には規則としてがっちり組みこまれている部分とそうでない部分があり、時にそれが流動的でさえあるわけですが、それにしても、「ので」から文を始めるなんて、こういうところは、日本人には考えられないことですね。
(言語人文学会顧問)
  英文助言と意見交換:ジェームズ・ホール 岩手大学教育学部専任講師
  英文助言:アラン・ファー 岩手大学外国人教師



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