2006年 11月 6日 (月) 

       

■  幻の白石神社に思いをはせる 盛岡市歴史民俗資料館で展示

 
     
  白石神楽で使われていた面と権現様  
 
白石神楽で使われていた面と権現様
 

「まぼろしの神楽展〜白石神楽」が26日まで、盛岡市湯沢の市都南歴史民俗資料館(嶋野宏典館長)で開かれている。白石神楽は同市上米内白石に代々伝承されてきたが、1943年を最後に途絶えた。現在は記憶する人もほとんどいなくなってしまったが、衣装や面、楽器などの多くは大切に保存されている。今展は、その道具など29点の展示物を通して、失われた神楽に思いをはせる企画展だ。

  白石神楽は明治時代中ごろ、同市長町(現在の長田町辺り)の山伏から伝えられたという。市周辺の山伏神楽の特徴を引き継いだもので、24演目が演じられたと推測されている。

  庭元の中坪家で行われる正月の「御年始神楽」、旧暦7月15日の「白石大権現のご縁日」のほか、盛岡周辺のさまざまな神社で奉納。宮古まで出掛けて奉納されることもあったという。

     
  白石神楽の衣装  
 
白石神楽の衣装
 

  今回出展された資料はすべて、現在の庭元の中坪賢蔵さんの所蔵品。2冊の謡本のほか、定期的に奉納したという桜山神社の名前の入った神楽幕、面や衣装、笛や手平鉦(てひらがね)、錫杖(しゃくじょう)、ホラ貝などが展示されている。

  戦時中、同神楽の舞手の多くが出征し、その知識は伝えられずに途絶えた。戦後、中坪さんの父は神楽の継承に努めたが、実らなかったという。

  踊りのしぐさやはやしの調子などをかすかに覚えているだけという中坪さんの手に「地域の先達たちの夢と汗がしみこんだ神楽道具」が残った。今展で、その道具を紹介できることを「先達たちとともに感謝し、喜んでいる」と言う。

  同神楽についての解説と展示を担当したのは、民俗芸能の研究・伝承活動を行っている岡田現三さん。岡田さんは「白石地区は、盛岡の町から山岸を経て小本街道に合流する閉伊街道沿いの集落だったので、神楽も注目され盛んに演じられたのでは」と話す。

  同市湯沢1の1の3、電話番号019−638−7228。午前9時から午後4時まで。月曜休館。


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