2006年 11月 7日 (火)
■ 幻の神楽を追いかけ本に 盛岡市の岡田現三さん
岡田現三さんと市都南歴史民俗資料館に展示中の白石神楽の神楽幕
盛岡市の岡田現三さん(30)はこのほど、現在は途絶えてしまった同市上米内白石の白石神楽について研究した著書「白石神楽」を自費出版した。大学卒業後、民俗芸能の魅力に目覚めたという岡田さんは、その多くが絶滅したり、失われつつあることを危ぐ。往時を知る高齢者の話を記録として残すこと、次の世代に引き継ぐことに力を入れている。
岡田さんは東京出身。小中学校時代、体育の時間に東北の民俗芸能を体験した。本格的に興味を持ったのは、岩手大学を卒業してから。同市大ケ生の山伏神楽に引かれ、その道に飛び込んだ。
地元の高齢者から同神楽について話を聞くうちに「詳しく調べたい」と興味。だが、同神楽についてだけ調べても由来がはっきりしないことに気付いた。「全体的に見ていかないと分からないのでは」と、調査範囲を拡大。その過程で白石神楽に出合った。
1943年(昭和18年)を最後に途絶えていた白石神楽。その庭元だった中坪賢蔵さんに連絡を取り、調査を開始。当時の舞の様子などを聞いているうちに「文字に残したい」と思った。
中坪さんが保存している道具類の中に、神楽の演目や内容が記された2冊の謡本があった。岡田さんはその古文書の解読を開始。報告書として今回、1冊にまとめ上げた。
舞い手が失われて久しい神楽の復活は難しい。だが、残された資料や記憶の保存はできる。ある団体で絶滅した演目が、ほかの団体で生きていることも。これまで希薄だった団体同士の横の連携をつくることで、演目の復活はできるはずだと思う。
「おじいさんたちの話を聞くのが好き」という岡田さん。記憶を風化させずに、次の世代に引き継ぐ役割を果たしたいと願っている。
「白石神楽」はB5判、3千円。問い合わせは岡田さん(電話番号019−643−4574)まで。
「まぼろしの神楽展〜白石神楽」は同市湯沢の市都南歴史民俗資料館で26日まで開催中。
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