2006年 11月 8日 (水) 

       

■  戦後2年間だけあった中学校 同窓生が古希を迎えて作品展 

     
  桜城中学校の同窓生と、恩師の太田金次郎さん(左から2番目)  
 
桜城中学校の同窓生と、恩師の太田金次郎さん(左から2番目)
 
  盛岡市立桜城小学校の一画を借りて、戦後の2年間だけ存在した旧桜城中学校。同校の同窓生による作品展「古稀を迎えて」が8日まで、同市南青山町の西部公民館で開かれている。同窓生は1947年に入学した112人の1学年だけ。教育制度の変革の波にもまれながら、共に過ごした仲間たちの結束は現在も固い。会場では17人が絵画や手工芸など約60点を出展している。

 桜城中は47年、六・三・三の新学制の下、桜城小に併設された。34年と35年生まれが中心の同窓生は2クラス合わせて男子63人、女子49人の計112人の生徒が入学。下級生の入学はなかった。

  与えられた教室は、同小の畳敷きの裁縫室。裁縫台の机にガリ版刷りの教科書、教材や教具は同小からの借り物という状態だったという。

  49年、下小路中への統合が決定。だが、校舎の建築が4月に間に合わず、約4カ月間は肴町の杜陵小併設水明中への通学を余儀なくされた。

  完成した校舎への引っ越しのため、生徒たちは各自の机やいすを持って徒歩で移動。夏の強い日射しの中、その重さに泣いた当時の思い出は、同窓生が集まると今でも必ず話題に上るほど鮮明だ。

  渡辺新子さんは当時を振り返って「着る物も粗末で、食べ物もない時代。同窓生とは触れ合いが深くて、懐かしさを感じている」。佐間山公子さんは「学制改革に翻弄(ほんろう)された大変な時代をくぐり抜けてきて苦しい思いもしたので、自分に負けないようになったと思う。今も皆に会うと、子供に帰って無邪気に話ができる。素晴らしい仲間」と話す。

  藤村さんは自慢の菊約20点を出展。「今回、声を掛けてもらってありがたかった。皆に見てもらえるし、同級生と懐かしい話もできる」と感想。呉本晴子さんは「会場で皆が久しぶりに集まり、展示物を通して話題が広がって面白い」と話す。

  会場には当時、桜城小中学校で音楽を担当した恩師、太田金次郎さんも訪れた。久しぶりに再会した教え子たちが、太田さんが作曲した校歌を歌って聴かせる場面も。太田さんは「卒業して何十年もたっているのに、こういう展覧会ができるのは珍しい。えらいものですね」と感嘆していた。

  同窓会は53年の第1回以来、15回以上開催。今年5月の同窓会で集まったとき、趣味で菊を育てているという藤村さんの話題から、それぞれが取り組んでいる作品を発表しようと、今展の開催を決めた。
  午前10時から午後4時まで。



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