2006年 11月 20日 (月) 

       

■  「拉致に盗聴」北朝鮮という国 中山首相補佐官が講演

     
  北朝鮮拉致問題について講演する中山氏  
 
北朝鮮拉致問題について講演する中山氏
 
  内閣総理大臣補佐官の中山恭子氏が15日、盛岡市盛岡駅前通のホテルメトロポリタン盛岡ニューウィングで、北朝鮮の日本人拉致問題について講演した。中山氏は安倍内閣で拉致問題担当の補佐官に就任。小泉訪朝から外交当局者として携わってきた立場で、核実験後の朝鮮半島情勢下での拉致問題の早期解決を訴えた。06年度税を考える週間特別講演会(主催・盛岡地区税務関係団体協議会)の講師として招かれ、約350人が参加した。

 中山氏は曽我さん一家を巡る外交交渉について「小泉総理の訪朝で5人が戻ってきたとき、ジェンキンスさん親子3人も連れてくるつもりだった。総理は8人連れてくると言っていたが、3人は連れてくることができなかった。あとでジャカルタで再会することになった。ジャカルタに着いたときジェンキンスさんに質問した。小泉総理が行こうと言ったときなぜ行くと言わなかったのかと。ジェンキンスさんは小泉総理との会談はすべて盗聴されていたと言った」と、北朝鮮の体質を説明した。

  「北朝鮮では必ず盗聴される。監視された生活をしている。ジェンキンスさんは小泉総理に会う前に外務次官から、総理に会っても日本に行くと言ってはいけない。どうしても総理が折れないときは自分たちが北京まで出ていくから、ひとみさんたちを北京まで連れてこいと伝えるよう指導されていた」と述べた。

  仲介国に北朝鮮寄りの中国ではなく、日本寄りのインドネシアを選んだ外交努力を口にした。
  「ジェンキンスさんは総理についていくと言ったらその日のうちに自分の人生は終わっていた。違うことを言えば自分の命が危うい恐怖の中で人々は生活している」と拉致被害者の苦悩をおもんばかった。

  ジャカルタでの交渉について「平壌からチャーター便に3人を乗せたときも北朝鮮の指導員が一緒に乗ってきた。北京で会っていれば平壌の言いなりになる。ホテルのオーナーの奥さんが日本人なので14階のフロアを借り切った。北朝鮮から乗ってきた人たちも同じホテルに泊まっているので接触されるかもしれないと思い、エレベーターをカードがなければ開かないようにした。日本政府の者だけが14階に入れるようにして北朝鮮の人は家族と接触できないようにした」と述べ、外交の舞台裏を明かした。

  北朝鮮の指導員は「一生懸命付いてきたのに3人を日本人が取り上げてしまった、日本はひどいと汚い言葉でののしり始めた」という。「日本が非難されるのはまずいので1日1度は会わせるようにと言う話があったが会わせなかった。会わせたら自由な発言はできなくなる。幸せに暮らしていると言っても決してそうではない。数日たったときにジェンキンスさんから家族そろって日本に来たいと言ってきた。時間はかかるかもしれないが日本政府を信じて大丈夫という判断して、日本に行きたいと言ってくれた」と述べた。

  北朝鮮当局者の対応から拉致被害者の多くが生存している可能性が高いという見解を示した。「日本人がしっかり監視されている。監視している人の責任が非常に重い。日本を汚い言葉でののしったとき、現場で何を考えていたかというと、あれは日本を非難しているようだが日本に向けたものではない、平壌に向けられたものだと。自分たちは一生懸命やったのに日本人がひどいので連れて行った、自分たちは悪くないと言うことを必死に訴えていた。大変だ。あの3人が無事に平壌に戻っているだろうか。非常に重い責任がかかっている。場合によっては重労働に処せられていたかもしれない。拉致された日本人は非常に厳しい監視のもとに置かれていて、その責任が重いのであれば相当数の人々が生存しているに違いない。だから日本政府は北朝鮮に対して調査してではなくて、生存しているのだから帰してくださいという言い方をしている」と強調した。


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